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ひとりひとりが主人公!

 

株式会社ジョ・インの取り組み

 

医療法人社団 仁清会 城南病院PSW 熊木 規恵

 

1. 株式会社ジョ・インとは

 

昭和62年、当事者、家族、関係者の願いが一つになって、高岡に「あしつき共同作業所」が設立されました。共同作業所の活動が活発になるに従い、家族や関係者の中では、共同作業所を卒業した段階で、一般就労との中間的な施設の必要性が感じられていました。平成3年3月、「あたりまえに働き、社会の中で自分の力を発揮したい!」という当事者の願いの実現を株式会社の発展の中に位置づけジョ・インが設立されました。障害の有無に関わらず、皆が一緒になって、それぞれの存在を認め合い、しかも能力を生かし合いながら、楽しく働ける場所、それが株式会社ジョ・インです。

 

2. ジョ・インの活動

 

ジョ・イン設立当時は、あしつき共同作業所に拠点を置き衣類等の販売を行っていましたが、平成5年、メンバーのお宅の一間に事業所を移しました。この時期のジョ・インは勤務時間、仕事内容等白紙に近い状態であり、山積みされていた課題を関係者とメンバーで話し合いながら会社の基礎固めを行ってきました。仕事に関しても、発病前はお肉屋さんで「焼き豚がおいしい!と評判であったメンバーのTさんに実際に焼き豚を作ってもらい家族や関係者に食べてもらったり、手先の器用なKさんの能力を生かし襖、障子貼りの技術をシルバー人材センターや、表具屋さんに習いに行き、ご近所にちらしを配って注文を受けたり・・・。清掃作業、引越しのお手伝い、除草等だれでも参加できるような仕事を行ってきました。その間、メンバーには「自分達の会社は自分達で作るんだ。」という意識が生まれ、自主的に作業に励むようになってきました。

 

3. ジョ・インの成長と共に

 

ジョ・インでは、ミーティングが週1回行われ、メンバーの自己管理について報告をし合います。まず、日常生活、服薬、金銭管理等がきちんと行えている事が、安定した社会生活への参加と就労を促す事に繋がるからです。お金の貸し借りやトラブルから調子を崩すメンバーがいるとミーティングで話し合います。入院生活を行っているメンバーが参加しやすいように、お金の負担が少ないレクリエーションを企画したり、毎月の給料から、「夢基金」と名付け積み立てを行なったり。メンバー同志がお互いを大切にし合う事は「自分が社会の中で存在を認められ必要とされている。」という気持ちに繋がり、メンバーの表情もいきいきと輝いてくるのがわかります。平成7年9月、更なる事業の発展を目指して事業所を現在の佐野新町に移転しました。その時の祝賀会でもメンバーが中心になり家族や関係者を接待しました。

 

4. 今後の課題

 

ジョ・インが株式会社として存続する限り、メンバーのベースを大切にしながらも、生産性という事も考えていかなければなりません。また、関係者の殆どが自分の時間を持ち出しての関わりです。ジョ・インの活動を維持し発展させていく為には、生産性の高い仕事と専任職員の配置は早急な解決課題です。これまで以上に、ジョ・インを支えてくださる人達、関係機関、制度等が必要です。今後も、ジョ・インがメンバーを中心に関わった人と成長しあえる活動を行っていきたいと思っています。

 

 

 

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