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3)観光船を主とする経営体制への転換

住民利用の減少による収入減を観光収入によって補完するために、経営の力点を観光船事業へシフトし、これにより「住民の足」としての機能も確保しようとするものである。

舞鶴湾内には、先に示したとおり関西電力のPR館をはじめ戸島(現在は夏季のみ青少年キャンプ場として利用)や新たに発見された縄文遺跡(5千年前の丸木船が出土)などの未開発の観光資源があり、これらを活用することで観光船事業を経営の主軸にしようとするものである。

 

5. 舞鶴航路の維持・振興等を進めるうえでの課題

 

最後に、当航路の維持・振興等を進めるうえでの課題を運航事業者の課題と行政の課題にわけて整理する。

 

1)運航事業者の課題

?経営改善への積極的な取組み

社員のすべてが経営改善の必要性を意識し、収入増加策及び経営合理化のための各種の経営改善方策に積極的に取組む。

 

?観光振興を重視する経営

「住民の足」としての役割のほかに、観光振興としての役割をも重視した経営を行う。

 

?関係機関、企業等との連携

利用者増加方策の導入にあたって、地元自治体、観光協会、観光業者、バス会社等との連携を進め、積極的なPRに努めるとともに、魅力的な企画商品を共同で開発する。

 

?定期船のイメージアップ

利用者へのサービス体制及び安全運航体制を確立し、住民と観光客の定期船に対する信頼感を高めて、定期船のイメージアップを図る。

 

2)行政の課題

?観光客利用増加のための支援

京都府、舞鶴市は、舞鶴の観光地としての魅力を高めるため観光資源の開発、整備を進めるとともに、運航事業者が待合所、駐車場等の施設整備を行う際に支援を行う。

また、観光客の舞鶴への誘致と航路利用促進のための観光キャンペーンの実施を指導するとともに、JRや京都交通(バス事業者)等の関連事業者へ協力を働きかける。

 

?経営改善方策導入への環境整備と指導

国、京都府及び舞鶴市は、運航事業者が自発的に経営改善方策を導入できる環境を整備するとともに、航路を取りまく環境変化と運航事業者の経営について十分な情報を把握し、それに基づき運航事業者に対し適切な助言及び指導を行う。

 

 

 

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