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甑島への航路は、以前は九州商船(株)が運航する串木野〜甑島航路と阿久根〜甑島航路の2航路があり、両航路とも使用船舶各1隻をもって1日1往復ずつ運航されていたが、赤字続きの上、島の人口流出も手伝って利用率低下により欠損額も拡大したため、合理化を行い、昭和50年に串木野〜甑島航路1本に集約した。さらに、第三セクター化されて現在に至っている。

近年は黒字に転換しているが、その最大の要因は、高速船の導入とフェリーの導入であるとしている。これは、航路距離が比較的長いため高速船導入の効果が大きいこと、島が比較的大きいため島内での自動車の利用価値が高いこと、という航路特性にマッチした運航形態をとったためである。

今後は海上タクシーという競争相手の出現により、旅客収入が減少することが予想される。このため、島内施設の整備にあわせて大口団体客の誘致と観光リピーターを増やすよう努力するとともに、積み残し解消のためのフェリーの大型化、高速船ドック期間中のフェリー増便などの利用者利便の一層の向上が課題である。

 

 

 

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