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2) 集中的なキャンペーンの充実

定常的なPRによって交通機関や観光地の認知度を高めていくことに加え、集中的なキャンペーンによって誘客や公共交通における理解促進の効果はさらに高くなる。

従って、祭りやイベント、季節的企画商品などの実施に応じた公共交通利用のキャンペーンの充実を図っていくことも求められる。

3) 企画商品の充実

公共交通と観光施設、宿泊施設が一体となった企画商品は、定期観光バスやパック商品に比べ、比較的自由な行動が可能となる他、定員の制限もないなどの利点があり、また、観光客自身が企画する自由旅行に比べ、割引により比較的安価となる利点もある。

また、公共交通利用のPR効果もあり、利用経験からその利点をアピールできれば、リピート時の公共交通の利用も期待できる。

従って、前章で検討した周遊ルートなどにおける、公共交通機関を利用した企画商品の積極的な開発・販売も期待される。

 

(5) 観光交通を支える道路環境の向上と需要管理

道路は自家用車と同時に、路線バス、定期観光バス、タクシーなどの公共交通による観光を支える基盤ともなる。そのため、観光地間を繋ぐ道路整備が行われていることが第1であるが、さらに、特に高い快適性が求められる観光交通への利用を考えれば、良好な沿道景観や道の駅などの施設の整備が行われていることも望まれ、さらに観光地を案内する標識や観光地を概説した案内板などの整備も求められるところである。

一方、和歌山県においては、観光地への自家用車の乗り入れや、その路上駐車によって、ピーク時に周辺道路が混雑する観光地が多くみられ、バスダイヤの乱れなど、公共交通への影響も大きくなっている。そのため、駐車場の適正配置や、P&BRなどによる観光交通の需要管理が必要となっている

1) 便利で快適な道路環境の形成

和歌山県においては、観光地が沿岸から山間部まで広範囲に分布しているのに対し、山間部の道路は国道においても1車線の道路が多く残されているなど、大型バスの通行が困難・不能な区間が多く、また、ピーク時に道路混雑がみられる区間も多い。

従って、高規格幹線道路、国道、山間部の道路などの整備・改良が求められる。

また、快適な旅行環境を形成するために、良好な沿道景観の整備や駐車場、道の駅などの物販、休憩施設の整備も求められる他、バス停や鉄道駅と観光地間の歩行空間の確保や自転車道の整備も、安全で快適な移動を実現する上で重要となる。

さらに、観光客へのアンケート調査結果でもみられるように、観光地への道路案内標識が不十分である箇所もみられ、案内標識の充実も必要といえる。

 

 

 

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