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2) イベントの実施

列車、バス、船などの機材、施設自体に観光資源となりうるポテンシャルが無い場合でも、移動時間が比較的長い場合には、イベントなどを実施することによって、移動を観光資源とすることも可能である。観光客へのアンケート調査結果をみると、特に鉄道では乗り物としての楽しさが評価されており、ポテンシャルも高いといえる。

従って、長距離移動の列車や船舶、定期観光バスなどにおいては、イベントを実施するなどにより、移動自体の観光資源化を図り、観光需要の促進を図ることが求められる。

 

(4) PRによる公共交通機関の利用促進

一般に、観光客は土地に明るくなく、路線バスをはじめとする公共交通の運行状況などのサービスは知られていない場合が多い。

一方、定常的なPR活動や集中的なキャンペーンにおける観光需要促進の効果は高く評価されているところであるが、これと同時に公共交通に関する情報提供やPR活動を行えば、観光における公共交通利用の促進が期待できる。

そのため、観光需要と同時に、公共交通利用の促進を図るためのPRやキャンペーン活動、企画商品の充実を図る必要がある。

1) 公共交通のPRの充実

観光と公共交通機関をセットにしたPR活動としては、列車内の吊り広告や鉄道駅でのポスターなどがあり、和歌山県における鉄道においてもその多くが実施されている。

しかし、路線バスのようにそのネットワークが地域内に限られている機関では、観光客に対する情報は乏しく、観光客が観光の事前にその情報を得ることは難しく、路線バスも含めた、公共交通機関に関する路線位置や乗り継ぎなどの情報を、和歌山県における観光ネットワークとしてPRできるような方策が必要といえる。

また、観光においてもグローバル化がみられるが、外国人観光客に対しては日本人観光客以上に、料金やバスの乗降様式など公共交通利用に関するきめ細やかな案内が求められる。

従って、県内外のターミナルなどにおける交通機関や観光に関する案内機能の強化、外客に対するインフォメーション機能強化などの公共交通のPR機能の充実が求められる。

その際、各交通機関、自治体、その他観光関連団体が連携し、雑誌、テレビ、インターネットなどのメディアを総合的に活用するメディア・ミックスの考え方などを用いることにより、より効果的なPRを図る視点も必要となる。

 

 

 

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