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(6) 旅行業者調査結果

?和歌山観光客の変化について

・全般に少し増加という観測で、特に関東地方からの増加が大きい。白浜空港ジェット化、ワイドビュー南紀(JR)新型車両導入による増加の効果が大きい。

・客層には大きく変化はみられないが、小さな変化として夏季連泊の増加、グループの少人数化、若年齢化があげられている。

 

?和歌山県の魅力と課題について

○観光対象資源

・魅力的な資源は、従来から和歌山の観光地として有名な自然・歴史系の資源である。

・問題は、全般的に派手さがなく昔ながらのものが多く、若年層へのアピール度が低い。新しくインパクトのある娯楽資源がハード・ソフト両面で少ない。

・資源が分散し地形的にも周遊ルートが限られていることから目新しさがなく、交通手段もマイカーに限られてしまう。

○観光地での活動・体験について

・活動の魅力としてマリンスポーツが多くあげられているが、海水浴場や海釣り公園などの施設が悪い、イメージとしての華やかさがないこと、またマリンスポーツのみで多様性が少ないなどが指摘されている。

・娯楽的な活動は、白浜やポルトヨーロッパ等一部に限られており、全体的には不足。娯楽施設の林立は和歌山のイメージを壊すことにならないかという懸念もある。

○宿泊施設について

・白浜、勝浦の海を活かした宿、高野山の宿坊等が和歌山らしい宿で魅力があるが、他地域では個性が不足し、ファミリーユース等全般的に選択肢を広げていく必要あり。

・食は、マグロ、鯨等の海の味覚が豊富で、温泉料理のような工夫もあるが、今ひとつ特徴的でない。これといった目玉がない。

○食・みやげ物について

・鯨、めはり寿司などの海産物、梅、ミカン、梅干し等農産物とその加工品が主流で、美術工芸品的なものは少ない。

・徳川時代の伝統があるが活かしきれていない。全国区で通用する魅力づくりが重要で、新しいものを作るより既存のものを如何にアレンジし、工夫をしていくかが課題。

○季節毎の魅力

・春:花、陽光、夏:海、渓谷での納涼、秋:山間部の紅葉、冬:温泉、梅林等が季節感を出しているが、温暖さが気候を感じさせないという面も。

・春桜、秋紅葉の名所が無い。夏は渋滞、冬は味覚不足。特に食の季節感がない(日本海のカニのような)

?和歌山県観光商品開発について

・現行商品は、大阪からは白浜、勝浦泊の人気が高く、宿泊施設のポテンシャルの高さが魅力。交通機関ではオーシャンアロー、ワイドビュー南紀が人気。

・今後は、ドルフィンタッチ、ホエールウォッチング、北山筏下り、熊野古道散策等の体験型の商品を開発したい。細かい情報の掘り起こし・提供、時間距離短縮のPR、連泊指向へ対応した連泊プラン等の工夫も。

 

 

 

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