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(3)自治体調査結果

?観光振興のテーマ、基本方向について

・ 多くの市町村が、豊かな自然環境の活用を基本として、恵まれた歴史・文化資源を活かし、地域の特色のある観光振興を目指している。

・ 和歌山市、貴志川町、かつらぎ町の3市町については、他の市町村とやや視点が異なり、関西国際空港や京阪神都市圏の結びつき等を考慮した回答となっている。

・ 観光振興の具体的な方向については、歴史遺産を活かした施設やルート、自然公園、スポーツ施設、キャンプ場等アウトドア施設、温泉開発等が中心となっている。

・ グリーンツーリズム、エコツーリズムへの関心も高く、33市町村中26市町村が「関心あり」と回答しており、体験農業、田舎暮らし体験、ウミガメ等の自然観察、古道ツアーなどが実施、計画されている。

?観光振興に向けての連携について

・ おおよそ交通圏ごとに協議会等が結成されており、パンフレットづくりやイベントの実施などの取り組みがある。

・ 熊野古道、近畿自然歩道整備事業などを中心に、広域観光ネットワークの形成を図ることが求められている。

?地域での観光交通の現状と課題について

・ 高速道路の整備が進む一方で、ICから観光施設等へのアクセスは改善されていない。道路が狭小で改良、整備を要望する市町村が多く、大型バス等の通行も可能とする整備が求められている。

・ 繁忙期に車が観光地へ集中し、迂回路がないため、主要道路における渋滞が著しい。R42号1本だけではなく、山間内陸部等における多重ネットワークの整備が求められる。

・ 都市部において、案内、標識の充実を求める回答が多くみられる。

?広域交通の現状と課題について

・ 高速道路の南進、紀伊半島1周の実現を求める回答が、紀南を中心に多くみられる。一方で、紀中等の地域では、通過地点にならないかという懸念も見受けられる。

・ 観光振興に向けて、JR特急「くろしお、スーパーくろしお」に対する期待が大きい。それぞれの最寄り駅における停車本数の増加や新型車両のさらなる導入が求められている。

・ 鉄道による関西国際空港アクセスについては、大阪方面に比べ、和歌山方面が不便。乗換え、連絡の強化、直通列車の運行が求められている。

・ 南紀白浜空港については、さらなる路線拡大及び増便が求められている。

?マイカー観光客の集中について

・ 「問題が大きく改善策を講じる必要あり」と答えた市町村は33市町村中9市町村である。しかしながら、これらの市町村もパークアンドバスライドの導入について消極的で、「積極的に導入を検討」と回答した市町村は白浜町のみである。

 

 

 

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