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4 防災マップ,防災アセスメント地図等

 

(1)対象とするデータのデジタル化方法

 

防災マップや防災アセスメント地図は,地形・地質,災害危険箇所や防災施設の現況等に関する地図情報等を主体とするグラフィカルな資料である。そのため,このような地図情報等を,いかに効率的にデータ化できるかがポイントである。

 

ア 国土地理院発行の地図データを利用する方法

防災マップをデジタル化する簡便かつ一般的な方法の第一としては,国土地理院発行の地図データを利用 する方法がある。具体的には,国土地理院発行の地形図等の地図データをスキャナー等の機器を用いて画 像データとして作成し,これらをワープロソフトやDTPソフト上で取り込み,これらに文字情報等を重ね合 わせることにより作成した防災マップ(地図)上で,共通フォーマットでデータ化する方法である。

DTPソフトを用いて作業を行う場合での利点は,GISほど初期コストがかからない点と,操作方法に慣れる までの時間はGISほどはかからないと思われる点である。欠点としては,作成されたデータは画像データ, 文字データの張り合わせでしかないので高度な利用は考えにくいと思われる点である。

イ GISなどのシステムを利用する方法

GIS(Geographic Infor-mation System)等は,建設省国土地理院による国土空間データ基盤整備事業( NSDIPA)によって共通化された地図データ利用した制作環境が利用できると思われる。

しかし,これらのシステムは初期コストがかなりかかり,作業環境が特定機種に限定される可能性がある 。また,GISなどの高度な機能を備えたソフトウェアは,その機能を修得するのに時間がかかるなど,気軽 に利用できるシステムとは言い難い場合があるため,利用目的に応じて操作方法を簡便化したり,利用者によって機能を限定するようなシステムとする必要があると思われる。

 

(2)デジタル化資料の有効利用

 

画像データ処理ソフト等を利用したデータ作成方法は,簡易な方法による防災マップのデジタル化を実現する。一方,GISなどのシステムを使う方法は,入力・作成したデータが地図上で固有の意味を含んだ空間データとしてデータベース化されているため,それらを応用し,地域防災計画書や防災関連調査報告書などの作成にあたって地図データの雛形としたり,被害予測シミュレーションなどを行う際のベースマップとして活用するなどの利用方法が考えられる。

防災アセスメント地図は,素材は防災マップと同様だが,搭載される被害数値,危険箇所や防災課題等の診断結果データは,特殊な知見データとみなすこともできる。

 

 

 

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