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5 防災パンフレッ卜

 

(1)対象とするデータのデジタル化方法

 

防災パンフレットは,文字情報とイラスト・写真・地図などの画像情報が豊富でレイアウト構成が重要視される書類なので,デジタル化する際にはレイアウト構成や色使いを正しく表現できる必要がある。

DTPソフトなどを用いて全体の構成を練り,画像データなどをスキャナーやデジタルカメラ,フイルムスキャナーなどを用いて取り込み,フォトレタッチソフトを使って編集する。

イラストなどは,紙に書かれた素材をスキャナーを用いて取り込みグラフィックエディタソフトなどを用いてデータ化し,DTPソフトウェア上で編集する。

作成されたデータはPDFなどの標準化されたプラットフォームを選ばないフォーマット形式に出力する。レイアウトの構成がポイントなのでフォーマットを選択する際にはそれらが影響を受けないような働きをしてくれる物を選ぶ必要がある。

データの蓄積はCD-ROMや他の補助記憶媒体を用いて保存する。保存する際にデータ圧縮技術などを用いると,限られたスペースに効率よくデータを収納することができる。

また,サーバー環境などが整っていればサーバー上に蓄積し,いつでも閲覧可能な状態にしておくことも可能である。

データの発信は,PDFなどのフォーマット形式で作成されていれば印刷,製本業者へそのまま持ち込んで製本してもらうこともできるようになる。

インターネットサーバーが導入されている場合は,PDFなどのフォーマット形式のままウェブへ載せることができるので,特にインターネットに載せるための作業は必要としない。

配布先にパソコンがあれば,CD-ROMなどに入れて配布することもできる。

 

(2)デジタル化資料の有効利用

 

防災パンフレットは,いったん作成されたら,大量に関係住民等に配付される。また,住民等利用者への指示・喚起情報をどのように盛り込むかによって,従来とは異なった利用方法や効果が期待できるため,デジタル化にあたっては,この点を考慮する必要がある。

 

6 防災マニュアル

 

(l)対象とするデータのデジタル化方法

 

防災マニュアルは,地域防災計画をもとに,災害時の災害対応の手引き書として作成される。また,マニュアルは,地域防災計画と同様に,文字情報を主体とするが,図表,フローチャート等を駆使してより見やすくレイアウトして作成され,内容的には,災害対応のノウハウデータを集約しているという点に特徴がある。

そのため,これをデジタル化する際に有効な手段は,レイアウト編集に適したワープロ,テキストディタ,DTPソフトや,OCR変換手法を効率的に活用した文字データの入力と,スキャナーを用いた画像入力が大半を占めると思われる。なお,ワープロなどに既に作成済みの文章などは,データ変換ツールによってコンピュータ上の環境に移すことができる。

各データをワープロソフトやテキスト,表,画像を一緒に扱えるソフトを用いれば追加・修正・削除などの一連の編集作業を柔軟に行えるデータとして運用することができる。

 

(2)デジタル化資料の有効利用

 

既存防災マニュアルに盛り込まれた有効な知見やノウハウ情報を効果的に取り込み,活用できるようにするためには,データの単なるテキスト(文字)データ化にとどまるのではなく,ハイパーテキスト化,あるいはAIシステムによる知識ベース化を図る必要がある。これらの最新の技術を活用することにより,これらのノウハウの有効活用が期待できる。

 

 

 

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