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2.3 防災まちづくりプラン策定支援システムの特徴

紙を媒体として防災マップを使用することは,前節で指摘したように携帯性等に優れている一方で,地図情報の変更が難しいといった面があります。

本防災まちづくりプラン策定支援システムは,地図情報をパーソナルコンピュータで管理することにより,紙を使用することに起因する問題の解決,作業の効率化を図ると共に,必要に応じて紙を媒体とする地図を印刷し,紙を媒体とする長所を発揮できるシステムの検討・開発を行いました(図2.2参照)。

併せて,防災まちづくりプランを策定していく上で生じる様々な作業を支援し,発生する需要に対処すべく,防災まちづくりプラン策定に配慮した機能の検討・開発を行いました。

以下はその特徴です。

 

・各種防災マップの印刷が可能です

パソコン画面上で作成・表示される各種の防災まちづくり関連の地図は,簡単に印刷することができ,出力した地図はそのまま防災マップとして活用できます。

また、印刷された地図は,手作業で作成された地図と比べ,表示書式に従った均質な,より分かり易いものが得られます。さらに印刷する用紙も必要に応じて最大AOサイズまで選択可能です。

従って,防災まちづくりプラン策定において,紙を媒体とした防災マップを使用することのメリットもこれまで同様に生かすことができます。

 

・表示内容の変更が容易です

施設や地域等の情報は,全て表示・非表示の選択が可能です。また,表示する色や模様,形も自由に設定できます。

紙を媒体として管理される防災マップは,一旦作成された地図の表示内容を変更することは難しい面がありましたが,本システムでは,表示情報の取捨選択により目的に沿った情報のみを表示したり強調した地図が作成できます。従って”災害弱者用防災マップ”や”住民活用型防災マップ”,”行政活用型防災マップ”など防災まちづくりにおける様々な地図への需要にきめ細かく対応することができます。

 

・表示スケールの変更が容易です

紙を媒体とした防災マップは詳細な地図を基に作成されてはいますが,スケールは固定的なものであり,これが利用の際の障害となることもありました。

本システムではスケール変更が自由にできますから,自治会や町内会レベルの詳細図から市町村全域の広域図まで利用目的に沿ったスケールの地図作成が可能です。

 

 

 

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