(2)紙を媒体とした地図を使用することによる短所
・地図情報の修正・変更が困難です
防災関連施設の新設・移設や危険区域指定の変更,また開発に伴う地形の変化など,防災事業をとりまく現地情報は絶えず変化しています。
一方,紙地図で作成される防災マップは,一旦書き込んでしまうと修正は難しいのが現状です。
防災マップは,容易に,かつ可能な限り現状を反映したものである必要があります。
・目的別に数多くつくれません
通常、防災マップには防災関連施設や地理情報など様々な情報が1枚(対象地域の面積が広い場合は数枚)の地図に書き込まれています。多くの情報が一枚の地図に集約されていることは便利な反面,不要な情報も表示されるため地図が分かり難くなる面もあります。
使用目的により,必要とする防災マップの表示情報は異なっていますが,紙地図からなる防災マップは,作成後の情報の取捨選択は事実上不可能なため,こうした要望に応えることができません。
・見直しコストが必要です
防災マップの作成事業は,通常は1年近い期間と高額な費用がかかります。また,作成された防災マップは,何年かに一度は,見直しする必要があります。
紙地図を基本にした防災マップの見直しと修正作業は,内容的に地図を新たに作成することと大差無く,相応のコストが必要となります。
・表示縮尺は変えられません
紙地図は,一旦作成されると縮尺を変えることはできません。防災まちづくりプランの策定では,場合により様々な縮尺の地図が必要となりますが,使用する防災マップは既成ですから,必ずしも目的に適った縮尺の地図が得られるとは限りません。