しているが、他の5か国(ベトナム、フィリピン、ブルネイ、マレーシア及び台湾)が権利を主張し、いくつかの石油産出が有望な区域において中国の主張と対立している。
これまでに数回の武力衝突があった。1988年スプラトリー(南沙)諸島における中国とベトナムの衝突で、150人近くが戦死した。最近では、1995年1月、中国軍がパラワン島沖にあるフィリピンの主要石油埋蔵地から150マイル足らずのスプラトリー諸島にあるミスチーフ環礁からフィリピン漁民を追い払い、その2か月後、そこからさ程離れていない海域において台湾がベトナムの補給船を砲撃した。日本にとって戦略的に重要な海域において中国が示した意図、及び特にこのフィリピンの主張に対する侵害がフィリピンのパラワン礁に関する日本の重要な企業利益に抵触するという2点で、日本政府はミスチーフ事件について特に敏感であった。日本にはその本土に直接つながっており、南シナ海よりもおそらく炭化水素資源が豊富な東シナ海の最近の情勢を懸念するに十分な理由がある。
1995年夏、中国は、領有権をめぐって1974年日本との間で厳しい抗争をを行こなった尖閣諸島(中国名・釣魚島)の近くで海洋調査を開始した。1995年12月、中国の石油採掘船1隻が、尖閣諸島の北北東200カイリの日本が主張する海域内に投錨しているのを発見され、日本は直ちに外交手段により中国政府に抗議した。実際の採掘の開始や日中両国による排他的経済水域の設定によって抗争が深刻な事態にエスカレートし得る徴候があった。事実上南シナ海、東シナ海を通じて全ての石油を輸入している韓国は、1990年代初期以来、海軍力を拡張しはじめ、目覚ましい軍事力、技術近代化計画に着手した。実際、同国の国防費は1990年以来、新しい支出の大部分が、数十年にわたる北朝鮮との抗争よりも、おそらく新たに浮上してきた地域的な海上及び航空の緊急事態に備えてふり向けれら、同国通貨換算で、北東アジアの他のどの国よりも急激な上昇を示している。変化する石油の方程式によって引き起こされる中国、日本及びおそらく韓国の間の海軍軍拡競争が、長期的に、この地域が直面する最も重大な安全保障上の危険である。この地域に配備された米軍を除けば、この地域で最も充実した最新の海軍兵力は明らかに日本である。日本は米海軍に次ぐ機数である約100機のP-3C対潜哨戒機を含む海軍航空機、60隻以上の主要水上艦艇及び18隻の潜水艦を保有している。広がる防衛水域及び立ちはだかる海洋に対する懸念を払拭するため、最近日本はアメリカ製のイージス・レーダーシステムを装備した高価な護衛艦(1隻10億ドル)3隻を次々に就役させている。(訳者注:現在4隻が就役中)