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北東アジアの潜在的紛争要因としての天然資源

漁業レジームの紛争と石油をめぐる紛争

白珍鉱(韓国外務部)

 

要旨

 

本稿は北東アジア地域の海洋生物・非生物資源をめぐる既存および潜在的な紛争について検討したものである。

 

生物資源をめぐる紛争

 

従来、北東アジア地域の漁業レジームは、主に韓日漁業協定や中日漁業協定などの二国間協定によって維持されてきた。これらの協定は、断片的で時代錯誤であるにもかかわらず、今まで大きな国家間紛争が生じなかったことは驚きである。しかしながら、近年、経済発展著しい中国の漁船による日本水域および韓国水域での操業の報告が増加しており、さらにこの地域の魚種減少という現実を考慮すると、この地域に新たな漁業秩序が求められていると言えよう。その方策として、この地域に排他的経済水域の設置が考えられるが、境界設定問題、同水域の漁業保全・管理としての妥当性、資源管理をめぐる関連諸国の係争の可能性、戦略的に重要な同水域の自由航行を脅かす可能性、などにより、この地域の諸国家は同水域の導入には消極的である。したがって、排他的経済水域はこの地域の秩序形成の解答としてはふさわしいとは言えない。むしろ、この地域の沿岸諸国すべてが参加できる多国間の地域的枠組みを構築する方が具体的な方策として望ましいと言えよう。

 

非生物資源をめぐる紛争

 

1969年に国連によって東シナ海に石油が存在する可能性が報告されて以来、この地域の諸国家の間に苦い紛争が続いてきた。1970年代初頭、自然延長の原則を主張していた韓国、台湾、中国と、等距離の原則を主張していた日本との間の紛争は、1974年の日韓共同開発協定によって部分的には解決された。しかし、この日韓共同開発協定の締結された状況は、国連海洋法条約による大陸棚の新たな定義および排他的経済水域の登場などにより、今日大きく変化しており、また、沿岸諸国の紛争も全般的には解決していない。さらに、最近では中国の石油探査の動きがあるが、石油発見の可能性は薄いと思われる。中国が領有を主張している地域と韓日共同開発地域の重なる地域は、ベースポイント測量をめぐる相違から生じると思われる。

 

 

 

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