日本財団 図書館


戦闘艦としては11隻のミサイル艦、66隻の内海警備艦、掃海艇10隻、上陸艇14隻がある。このような水準の海軍軍事力は、これまで韓国の軍事力が、地上軍を中心に推進されてきた事実を反映するものである。これは韓米軍事協力の性格や、韓国の国防支援、そして北朝鮮の軍事力の戦略構造及び対南戦略戦術を勘案した不可避な措置だったであろう。68

だが戦略状況が変化し、戦略目標が変わった1990年代において、韓国の海軍はより一層積極的な軍事力にする必要がある。今までの対北朝鮮戦争抑止というレベルから、90年代の戦略方向は、地域的安定と平和に寄与することに拡大されなければならず、特に脱冷戦時代に入り、主となる概念の消滅と同時に、潜在的敵国に備えることのできる軍事力の建設が必要な時期にきている。北朝鮮のみに対抗する場合は、軍事力中心の陸軍の作戦概念で事足りたが、今後日本、中国という潜在的対立勢力に対応する場合、主な対抗手段は海軍力でしかありえないだろう。このために我々の基本政策方向もまた、海軍力中心の軍事協力体制の強化に、より大きな関心を払わなければならないだろう。69

 

3.韓国海軍力の発展方向

 

それでは、韓国海軍の規模はどの程度のものにしなければならないのだろうか。今後、韓国の海軍力建設の基本的資料となるのは、周辺国家と海軍の軍事力を比較してみることと、韓国の今後の国家軍事戦略の設定であろう。まず周辺国家の海軍軍事力と韓国の海軍力を概括的に比較してみることにしよう。

 

表1 韓国、中国、日本の海軍力70

 

68朴庸玉「1990年代以降の挑戦的戦略状況と韓国の海軍力」金達中(編)「韓国と海路安保」(ソウル:法文社、1988),p.199.

69 朴庸玉,前掲書,p.200.

70この表はThe military Balance,日本の防衛白書などをまとめて筆者が作成したものである。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION