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抗する時のように、数的な劣勢を挽回し得る、特殊な組織として構成されている軍事力という特徴を持つ。

日本の自衛隊の階級は大きく4つに区分される。第一に、韓国の将校に当たる幹部、第二に、韓国と同じ名称の准尉、第二に韓国軍の下士官にあたる曹、最後に韓国軍の兵士にあたる士がある。現在の各階級別自衛隊兵力数を見てみると、幹部は38,972名、准尉5,120名、曹は123,543名、そして士は72,631名である。兵士の数が将校の数の二倍にもならない兵力構造であり、もし下士官以上をみな指揮官とみなすなら、日本は兵士と指揮官の比率が1対2.3という、韓国軍の立場から見ると、たいへん奇異な軍事力になっている。陸上自衛隊の場合、将官級将校は40-50名ラインであり、将校9階級の内、最も数の多い階級は1尉で6,500ないし7,000名に達する。

兵士の数字が、全体の兵力の30%程度にしかならない日本の自衛隊の軍構造に、日本の軍事力の潜在力を見出すことができる。35現在、日本の自衛隊の軍事力は、平時のものであり、戦時になればすぐさま百万単位の大兵力が増強され得る軍隊である。(第二次大戦当時の米軍の場合、将校対兵士の比率は1対10であった)。また下士官以上は167,635名だが、この数字が意味するところに留意してはじめて日本の軍事力の真の姿を知ることができる。

軍事力を構成するもう一つの要素は、装備している武器体系であろう。日本の自衛隊が現在装備している武器体系は、次の通りである。まず陸上自衛隊は、特科師団1、普通科師団12から成るが、装備として最新鋭の90式戦車30台、74式の戦車873台等を含む1,210台のタンクを装備しており、自走砲及びび率引砲850余門、駁撃砲1,900門、地対空ミサイル56機、防空砲240門、180機のスティンガー地対空ミサイル、60余台の攻撃用ヘリコプターを装備している。日本の陸上自衛隊は、日本の軍事力の性格に比すると最も重要な役割を担っている部分とはいえず、所有している装備もそれほど恐れるほどのものとは思えない。ただ900台以上保有している90式、74式戦車はみな世界的な水準の戦車であり、日本で生産されたものである。またスティンガーミサイルは、既に卓越した性能が立証された日本の陸上自衛隊の対空武器であり、この武器は近代化された自衛隊の姿をよく物語っている。

日本の航空自衛隊もまた、最先端の装備を誇っている。現在404機の各種戦闘機を保有しているが、73機のF-1、21機のF-4EJ機が地上攻撃用戦闘機の機能を担っており、158機の、F-15、72台のF-4EJが迎撃の任務を担っている。周知の通りF-15機は、米国空軍が装備している主力機種のうち、最上位級の戦闘機で、価格も最高価の戦闘機である。日本はこのF-15機を改良した機種を装備しているが、日本のF-15機は米国の同じ機種よりも寿命が長く、維持費が安いと期待されている優れものである。

 

35 専門家達は、日本の現在の軍事力は戦時には約4-5倍に増強され得る軍事力だと見ている。

 

 

 

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