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争を解決する手段として永久にこれを放棄する”と明示しており、第二項では前項の目的を達成するため陸、海、空軍及びその他の戦力はこれを保持しない。国の交戦権はこれを認めないと明記されている。28だが冷戦状況、特に朝鮮戦争は、日本に軍隊でない軍隊を持ち得る道を開き、ベトナム戦争以降自衛隊は名実相伴う正規軍に成長した。

日本の自衛隊は、朝鮮戦争と共に始まった。朝鮮戦争勃発以後、駐日米軍は韓国の前線に派遣されるようになり、マッカッサー将軍は1950年7月8日、今後50日以内に日本内の治安維持のために750,000名規模の警察予備隊創設するようにと指示した。このようにして設立された日本の警察予備隊は、1954年に自衛隊として改称、創設され、他国の陸海空軍にあたる陸上、海上、航空自衛隊の編制を持つようになり、名実共に近代式の軍隊に成長した。まず日本は朝鮮半島の不安定さを自衛隊増強の根拠になってきた。また1978年度以降、地域防衛という広義の概念が、専守防衛という既存の消極的な概念に取り代わるようになった。日本は1980年代以後、ソ連及び北朝鮮の脅威を言及し始め、1983年度の防衛白書には、日本の海上自衛隊は1,000カイリにまたがる海上ルートの安全を守らなければならないと言及し、政治的な手段として軍が使われ得ると論じていた。1987年度の防衛白書には、自衛権の行使は自国の領海及び領空にだけ限定されるのではないと言及しており、1980年代後半、即ちゴルバチョフ登場以後の国際的なデタント及び軍縮時代にも、日本の自衛隊の軍事力は強化され続けた。29

海部元総理は、1990年6月、日本の自衛隊は、初めから冷戦体制に関わりのある軍事力ではなかったため、冷戦解消後に縮小される理由はないと述べた。30

特にゴルバチョフ政権以降も、ソ連の極東軍事力が増強し続けられたという事実は、1980年代後半に自衛隊の持続的な増強を正当化させる要因になりもした。平成2年度版(1990)の防衛白書で、初めてソ連の軍事脅威という記述が削除されたが、最近平成4年度版(1992)の防衛白書は、ソ連の極東軍事力は、数は減ったが、質的側面ではむしろ増強されていた事を強調しており、持続的な自衛隊の軍事力強化を擁護している。31

事実、これまで自衛隊は憲法違反かどうかという深刻な論議の対象になってきたが、今日にいたっては社会党までが、自衛隊の存在それ自体ついてはあれこれ言わなくなった。日本は、経済力、及び技術力が発展した結果、軍事大国になり得る物質的な必要条件は既に十分に整っており、国民の意思と、国際政治的な条件が条件さえ満たされれば、いつでも軍事超大国になれる国である。最近はこの条件がひとつずつ着実に整い出しているように

 

28 「日本国憲法」第九条 2項.R. Drifte, 'Acting in Self Defense,'Far Eastern Economic Review', 20. June 1991, pp.50‐52

29 毎年発行される日本の防衛白書に関する比較および解説は、李度(イ ドヒョン)、”日本の軍事力と戦略方向”韓国戦略問題研究所 随時研究報告書(1990.10.24)参照

30 李春根「ノーと言える日本」『時事動向』1990年12月号,p.37

31 防衛庁編,「平成4年版 防衛白書」(東京:大蔵省印刷局,1992年8月)pp.50‐51.

 

 

 

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