現実的にこのような再評価と軍の再編成作業は予算に基づくものだけに、ロシアが今後軍部の活性化のためにの軍備投資を続けていくのかは現在のところ不確実である。だがひとつ明らかなことは、以前のように国防予算や武器体系開発を支援し続けていた旧ソ連時代の水準を維持することはできないということである。1979年から1989年の旧ソ連の国防予算の状況は、下記表3のようになっているが、1989年以降の国防予算投資を考察してみると、予算額はこのまま削減し続けていくと思われる。
米国防総省の集計によると、旧ソ連の1990年の実質的な国防予算は、1988年と比較し、約12%減ったとみられ、この内国防予算の50%を占めている武器体系開発と購入予算だけで、1989年には10%が、そして1990年にも10%削減されたという。また旧ソ連の国防省が1990年11月に提出した1991-1995年及びおよび1996-2000年の中長期国防予算案には、段階的な国防予算増額が含まれているが、ロシア共和国はこのまま国防予算を削減する方針を打ち出した。
1993年初頭に新設されたロシア軍司令部は、総300万名の兵力を1995年までに200名に、そして1990年代末までに150名に減らすことを計画していると述べたことがある。