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米国防総省が推進している基本軍事力は、さる1991年に発表された新しい国家軍事戦略(National Military Strategy)に基づくものである。海軍の場合、戦略的抑止と防衛、前線配置、危機対応、そして改編作業(reconstitution)が複合的に推進される予定である。戦略の軍事技術側面を考えずに、数字のみを見ると米海軍は1994年までに15隻の航空戦艦を12隻に削減し、全般的な軍艦の数は547隻から452隻に削減することになっている。(陸海空軍を含む削減規模を見ると、前述した基本軍事力に含まれた代案が断行される以前に、既に米国の現役兵力は朝鮮戦争前の規模に縮小されており、1997年までに実質的な防衛予算は総計37%削られるだろうと予想されている)9

このような状況下で来海軍は、1995年までに7艦隊(西太平洋とインド洋の場合)は、Carrier Battle Group(2),Amphibious Ready Group(2),Underway Replenishment Group(2),6艦隊はCBG(1),ARG(1),URG(1),2艦隊(大西洋)はCBG(5),ARG(4),そして3艦隊は(東太平洋)CBG(4),URG(3)で構成すると計画されている。10

 

9 U.S. House of Representatives, Foreign Affairs Committee, Statement of General Colin L. Powell, Chairman of the Joint Chiefs of March 4, 1992,p.3.

10 Annual Report to the President and the Congress, p.76. 米海軍が1995年までこのような規模の前方配置や海軍軍事力を維持できるのかは、もちろん予算が許す範囲内で決まることであろう。太平洋7艦隊の場合、在韓米軍と在日米軍の段階的な削減計画は、米国防部が2回目に発行した東アジア戦略構想(Ease Asia Strategy Initiative,EASI)で、既に実行に移されていることを鑑みると、前線に配置した海軍力も変化(米国防部自らも目標にしている).する可能性が少なくない。中長期的には海軍を中心に太平洋駐屯を維持する可能性が高いが、究極的には海軍の規模も全般的に縮小すると考えられるので、7艦隊も例外ではないはずである。

 

 

 

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