シンガポール
シンガポールは人口295万人の都市国家であり、貿易依存度は極めて大きく、その大部分を海上輸送に頼っている。
同国はフィリピンから撤収した米海軍地域後方支援司令部を国内に受入れているほか、FPDA諸国、ブルネイ、インドネシア、台湾及びアメリカとの共同訓練を実施している。海軍はハープーン対艦ミサイル搭載のヴィクトリーVictory級ミサイル艇6隻を含む哨戒・沿岸戦闘艦艇25隻、機雷掃討艇4隻、両用戦艦艇5隻を保有するほか、ドイツから206型潜水艦4〜6隻を購入するとの情報がある。
空軍は、F-5戦闘機36機とF-16A/B戦闘機19機(うち12機はアメリカに駐留)に加えて、F-16C/D型を導入の予定である。洋上哨戒はフォッカー50エンフォーサー5機が、また空中早期警戒はE-2Cホークアイ4機が担当している。
国防軍の質は極めて高い。士気は高く、装備も充実しており、訓練のレベルも高い。
タ イ
海軍はフリゲイト14隻(うちミサイル搭載艦8隻)、コルベット5隻(うち対艦ミサイル搭載艦2隻)、ミサイル艇6隻、哨戒艇64隻、機雷戦艦艇5隻、揚陸艦艇9隻、及び支援艦艇など16隻を保有し、さらにアメリカからノックスKnox級フリゲイト2隻を借り受けることとなっている。
V/STOL機ハリアー8機及びS-70Bヘリコプター6機を搭載可能のスペインで建造されたスキー・ジャンプ飛行甲板を持つ軽空母チャクリ・ナルエベトChakri Naruebet(11,485トン)が1997年夏タイ海軍へ引渡された。この空母が全能力を発揮できるのは来世紀に入ってからと考えられるが、見通しうる将来において、この地域の海軍で唯一の空母である。2番艦の計画は、潜水艦の導入計画と競合したために延期された。
海軍は海上哨戒/対潜用として、P-3Tオライオン3機、S-2Fトラッカ一4機、F-27MPA 5機、S-70B対潜ヘリコプター6機を含む23機を保有し、EEZあるいは更に外側の海域の哨戒には十分な機数である。これに加えて、E-2C早期警戒機3機とP-3C哨戒機を導入中である。
ベトナム
空軍の装備の大半は旧式の代物で、MiG21改124機と対地攻撃機Su22 65機を保有しているが、中国の航空優勢の前にとても対抗できそうにない。最近ロシアからSu27戦闘機6機を購入した。海上作戦用の航空機として、旧ソ連製のBe-12対潜飛行艇4機と対潜ヘリコプターKa-25 8機を保有している。