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表1には中国の防衛予算の増加が示されている。このデータによれば、中国は1986年から1993年まで、軍事予算に8%から9%を配分している。つまり、1983年から1993年まで、中国は軍備増強の予算を控えめに配分したことになる。実際、これは1983年の13.7%から1993年には9%へと減少した。

 

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中国の海軍力の増大は、1987年の第一Xiaクラスの弾道原子力潜水艦建設からも見ることができる。李鵬首相は、中国がウクライナの航空母艦の調達を意図している、とする西側の報道を否定したが、大半の防衛アナリストは、中国がブルーウオーター能力を完備した航空母艦を今後10年以内に購入あるいは製造すると見ているようだ。要するに、中国のPLANは21世紀の終わりまでには、電子デバイス、自動システム、中長距離誘導地対地ミサイルなどのハイテク戦力に移行するであろう。現在のところ、中国はロシアから72機のSu-27および24機のミグ31を確保し、空中給油技術を習得している。(18)

 

b)国外要因

 

南シナ海の管理は非常に重要である。それは経済的のみならず、戦略的にも重要である。なぜなら、太平洋とインド洋の戦略ルートの間に海が広がっているからである。したがって、南沙諸島は中国にとっては、戦略・安全保障上非常に重要なのである。中国の対南シナ海政策の背後の動機には、このまま自国の南側面をいかなる超大国や大国の支配からも自由にしておきたい、ということがある。(19)中国が懸念しているのは、南シナ海を利用した自国の経済供給と対外貿易の成長が戦時に敵によって遮断されることである。さらに、敵は基地を利用することができる(例えば、1940年代、日本はItu Abu島を基地にして中国の南側面を攻撃した。例えば、1975年、1974年1月の対ベトナム戦以降、ベトナムがロシアにCam RanhおよびDa Nang基地を認め、中国をParcelsから撤退させようとした際、中国は危機感を持った

 

 

 

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