?B強力な即応反撃能力
?C強力な両用戦能力
?D一定の核威嚇能力
しかし、現在の経済力・技術力から「軍事費を大幅に増加することはできないので、第1期を現在から2000年、第2期を2000年から2050年までと2区分し、第1期は陸上を基地とする中距離戦闘爆撃機と早期警戒機、偵察機、電子妨害機および空中給油機などをバランスよく発展させるべきである。また、海上兵力としては攻撃潜水艦を主要な攻撃力とし、ヘリコプター搭載の中型水上艦艇を指揮支援戦力とする。第2期では航空母艦を核とし、対空・対水上・対潜戦作戦能力を持つ水上艦艇と潜水艦を配備した機動部隊を、経済力の発展に応じて南から北へと段階的に3個保有するとしていた。しかし、1997年度のアメリカ海軍情報部長の年次報告によると、湾岸戦争のアメリカの巡航ミサイルの威力から、第3防御線を硫黄島、サイパン、フィリピンを囲む2500海里に拡大したとしている(17)。
中国の空母保有については多くの報道があり、最終的には空母機動部隊を保有することになるであろ。しかし、大陸的国防観から中国海軍が、マハン(Alfred ThayerMahan)流の制海権の確保を意図し、アメリカ海軍のような攻撃空母を核とした機動部隊の建設を目指す可能性は少なく、垂直離着陸機搭載空母など攻撃力は限定的なものとなるのではないであろうか。とはいえ、この程度の空母でもアジアの諸国には大きな脅威であり、中国海軍は空母を使い、孫子の兵法を応用した“Gun boat diplomacy”を、日本を含むアジア諸国に展開することであろう。
(2)海洋生存圏思想
大陸民族は領土にこだわり、帝政ロシア、ヒットラーのドイツ、ナポレオンのフランスなどが、領土を拡大してきたが、ここで懸念されるのは、中国が中華世界の安全のために周辺に国境を拡大してきた歴史であり、現在もチベットを軍事占領下に置くなど、大陸国家の特性から領土に対する執着が極めて強いことである。また、さらに中国の領土観が、ヒットラーがポーランドやオーストリアの併合を正当化した根拠とした「国家は生きた組織体であり、必要なエネルギーを与え続けなければ死滅する。国家が生存発展に必要な資源を支配下に入れるのは、成長する国家の正当な権利である(18)」とぃぅ、ハウスフォハーの生存圏思想に極めて類似した理論を展開し、それ