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もう一つ考えられねばならないのは閉鎖回路テレビ装置である。これは目下のところ大変高価である。しかしテクノロジーは非常な速度で進歩しているし、間もなくビデオテクノロジーが商業用レーザーディスクを始めるかも知れない。法執行機関が抱いている不満の1つであるもっと正確な犯人の描写が入手できると助かる。

 

INTERPOLは現在世界中にハードがX-400のコンピューターのシステムを設置しようとしている。これにより指定されたユーザーが犯人像、よく知られた犯罪者や船舶の写真をダウンロードする事が可能になるし、他の目的に混じって海賊行為の抑圧のためにも設置される。

 

第10章10節 政府の役割

 

IMOはそのMSC出版物622に、政府向けとして海賊行為との戦いと船舶略奪に関して良いと思われるいくつかの対処法を載せた。それにはIMOの研究グループとマレーシア海峡を共有する3カ国で開催した海賊との戦いへの相互協力に関する会議ででた結果が含まれている。3カ国共海賊や船舶の武装略奪に対処する第1の方法として、普通のパトロールと事件にいち早く対応するために、快速パトロール船を使っている。この努力はこれら3国間で、お互いの領海に入っても良いとする協定を結ぶ結果をもたらした。この結果は極めて満足のいくもので、下記に示す例からもそれはわかると思う。

 

この事件はモータータンカーのアル ザーラ号が関係する。このタンカーは1992年1月26日に海賊に乗り込まれた。襲撃された時に船長はシンガポールのRCCに連絡をし、そこからシンガポール沿岸警備隊に連絡が入り、更にそれはインドネシア警備当局へと伝わった。 この結果、犯人は皆捕まった。

 

犯罪との戦いにおいて航空機は非常に価値がある。時にはヘリコプターから撮った写真により、事件の起こっている船舶を見つける事も可能だし、パトロール船が船舶と海賊を捕まえるまで、その船舶を止めておくことも出来る。香港のMRCCが、その監視用航空機を使って撮った海賊船の航空写真を持っている事に注目するのは意味があるだろう。

 

第10章11節 港湾当局の役割

 

まず最初にする事は直接地区を柵で囲む事と、港で働く人に危険人物でない事を証明するためのパスを発行する事である。このパスは常に見えるように携帯されなければならない。 この様なシステムはヨーロッパではかなり普通であり、ヨーロッパのフェリー会社が乗っ取りを避けるために義務づけていてきちんと守られている事の一つである。この様なシステムはかなり簡単に始める事ができるし、船中の盗難問題を回避することができる。

 

 

 

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