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確立する事を義務づけている点で、モントリオール条約の規定に従っている。一端裁判権が確立したなら、次の7条が見直されなければならない。

 

第7条

 

1. 状況が全て整ったら、犯人もしくは容疑者がいる領域を所有する国では、いかなる国も自国の法律に従い、犯罪上手続きや引き渡しの手続きが行われるのに必要な期間、犯人を収監するか、その居所を保証するための処置を取る。

 

2. その国は自国の法令に従って即刻事実の予備取り調べを行う。

 

第10条では次の事が述べられている。

 

1. 犯人、もしくは容疑者が見つかった領域における国は、第6条が該当し、もしその犯人の引き渡しを行わないなら、例外なく、また、その犯罪がその領域で起こったか起こらないかに関わらず、即刻に、その国の法による処分によって犯人を起訴するために、所轄官庁にその事件を委ねる。その所轄官庁は自国の法の下で、他の危険な性格を持つ犯罪の場合と同じやり方で決断をくだす。

 

第10章 防止の実用性

 

防止の実用性については多くの物が書かれてきたし、何冊かの船員のためのガイドブックも出ている。これらはどれも単刀直入に書かれているが、それをここで説明する前にまず、目的と何が一番大切かを考えるのがいいだろう。今言えることは2つある。ひとつには、船主と乗組員が取るべき手段がいくつかある事と、もうひとつには各国政府が取るべき手段があるが、これは国境が交差する時にはかなり複雑な問題である。

 

IMOは海上安全委員会(MSC)出版物623を発行している。これは公海上での海賊行為や、船舶が港湾外に停泊中、または沿岸国家の領海を通過中に武装した賊に出会う危険を滅らすために、船主や船長や乗組員が警戒するべく、彼らの注意を促す事を目的とする。

 

IMOはほとんどの襲撃は日和見主義者によるもので、彼らが手っ取り早くて簡単な獲物を狙っていることは統計に現れていると知っている。こうした海賊がいつも狙うのは船舶においてある現金、乗組員の貴重品、簡単に運べる綱、道具、ペンキといった船舶の備品である。

 

 

 

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