あり、そして洗練された技術開発のおかげもあって、より厳格な監視が行なわれるようになった。」(17)汚染監視の必要は、多様な汚染源によるリスクの上昇に依存する。こうした汚染源には、河川、陸地での活動、船舶、沖合操業、大気などがある。
新たな衛星技術も、近年利用できるようになった。新たな衛星技術により、海洋地理学者はリアルタイムの写真、例えば潮流の天気図などを入手することができる。従来の技術では、潮流は衛生から計測した海面温度とトラッから推定しなけらばならなかったが、新技術はこの点改善されている。すなわち、衛星のレーダー高度計により海面高度を計測し、海面温度を衛星から計測し、浮動ブイを追跡することにより、科学者は潮流と海洋の動きを予測することができるのである。
GOOSの応用、および異なる問題を解決するための異なるデータ種と予測の要件は、以下の通りである。
・気候
10日以上の期間の気候予測には、海洋の動きのメカニズムを理解・予測する能力が必要である。
・海洋の健康
このモジュールは海洋の状態やバランスに悪影響を及ぼすプロセスや汚染物に関連している。これらの悪影響には水温、塩分濃度、潮流の変化などがあり、栄養物あるいは汚染物供給の変化、毒性の上昇など生物の生産性やバランスの変化など、エコシステムの変化をもたらす。
・沿岸・棚海
このモジュールは沿岸水域に対する公海からの諸影響のモニタリングのためのデータを提供するものである。沿岸水域は地球上最も産業、廃棄物の影響を受けやすい地域であり、資源管理と利害衝突の最大の問題源である。
・海洋サービス
悪天候警告なども含め、波の状態、潮流、海氷、風や海面水位などに関するパラメータ予測の改善により、グローバルおよびリージョナルな海洋地理・気象学的サービスは、船舶、観光、海洋レクリエーション、海洋生物の安全、海底鉱物資源の探査・利用の向上のために必要である。
・海洋生物資源
物理的な海洋地理現象(例えば潮流、水温、塩分など)の変化の海洋生物に対する重大な影響が認識しつつ、このモジュールは海洋生物資源を発掘する産業および関連する生物学的活動・調査に関してGOOSのデータや結果に必要な事項を定義する。
OECDはGOOSの全体的な費用対効果は、おおまかに見積もって1対10から1対20であるとしている。絶対利益の方は年80億から100億ドルにも上る。(18)特定の便益は以下から生じる。(19)
・効率の向上、費用削減、海洋環境管理の改善(例えば、沿岸気象予測の改善から生じる利益の漁船団への提供など)
・予測の向上、ハリケーン、嵐、大規模の沿岸侵害、地震、津波、大規模な原油流出、難破、汚染藻の大量発生に関連する影響、危険、リスク、災害の緩和の向上
・気候の変化、エルニーニョ、10年変化の知識の向上による、農業用の予測の向上および