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非軍事的な海洋問題を取り扱うことになる)で扱われるだろう。

クアラルンプールの地域海賊センターは今後も発展し、海賊問題を含む将来における地域の海上協力問題の「拍車」として活躍することが期待される。

 

麻薬

 

海賊問題と比較すれば、海洋における麻薬密輸の問題が、それほど議論されてこなかったのは明らかである。また、この問題に対処する地域間協力、地方の行政組織間でしばしば生じる協力の範囲を(外から)決定することは困難である。

 

合衆国麻薬取締り問題担当大統領特別補佐官補が、最近、アジア各国が麻薬流出阻止のための努力をしていることについて賞賛し同時に、アジアでの阿片の製造について懸念を表明した。(1996年度予算案で国防総省が要求した麻薬対策費は68億ドル、個人経費13億ドル、このうち、海と空の??通過地帯?≠?監視するための費用は16パーセントにすぎない。)

 

しかしながら、合衆国の大半の努力は、カリブ海を通過するコカインの流入取締りに傾注されている。

合衆国麻薬取締局の太平洋地域専門官は、合衆国へのヘロインの総流入量(そのうち80パーセントが、「黄金の三角地帯」または中央アジア味を経由するアジアからの阿片である)はおよそ7メートルトン(7000kg)にすぎないと筆者に指摘している。

しかもそれは、合衆国に流入するコカインのわずか1パーセントにすぎないのである。

合衆国麻薬取締局の太平洋地域専門官は、また次のようにも指摘してくれた。アジア太平洋地域の麻薬量として確認されているのは、港や沿岸で確認されたものであり、彼の指摘では、公海では一つも確認されていないという。

この合衆国麻薬取締局専門官は、アジア太平洋地域の麻薬問題の性格について、次のように述べている。日本および韓国はメタンフェタミン(中枢神経系興奮剤・通称ヒロポン)を、オーストラリアとニュージーランドは(南米から)コカインを密輸する帆船を、フィリピン(および合衆国)マリファナを運ぶ曳航船を、それぞれ重点項目としている。

小型の密輸船に加えて、通常のコンテナ化された輸送船が麻薬を隠匿する絶好の場所を提供していることは、長い間知られてきたことである。

 

こうした地域の麻薬取引の特徴についての情報は、将来における海洋協力にとって、いくつかの意味を持っている。

麻薬密輸の疑いのある船舶についての情報資料や追跡データを適切に開示・交換することは、明らかにこの問題に対処するための必要条件である。(もちろん、このことは、

 

 

 

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