(概要)税種ごとの地方税の充実方策について、どのような税種による充実が適当であるか、また当該税種による充実を図る場合、考えられる具体的な方策について問うものである。
まず、地方税の充実を図る場合に適当と思われる税種についてみると、全体的には、景気に影響されない安定的な税種である消費課税が最も多く選択されており、地方団体と学者を合わせて6割以上を占め、特に都道府県では8割以上の団体から選択されている。また、都道府県では、基幹税目のひとつである法人事業税を含む?の法人所得課税の充実が6割以上と多く選択されているが、市町村においては、基幹税目である固定資産税を中心とする?の資産課税の充実を選択した団体は1割程度に過ぎなかった。つづいて、学者の回答をみると、地方団体に比較して?の法人所得課税の充実を選択した回答が2割程度と少ない結果となった。
次に、選択された税種について考えられる主な具体的な充実方策についてみると、以下のとおりとなる。
「?個人所得課税」
都道府県
・「所得税から個人住民税への税源移譲を行う」(10団体)
市
・「所得税から個人住民税への税源移譲を行う」(11団体)
・「個人住民税均等割の税率引き上げ」(7団体)
町村
・「所得税から個人住民税への税源移譲を行う」(4団体)
学者
・「個人所得課税全体(所得税及び個人住民税)としては、応能的な課税を維持しつつ、そのうち税率の低い部分を個人住民税とする」(1人)
・「所得税、住民税を合わせた所得課税の抜本的改革→住民税の比例税化、累進税の国税化を行うか、または所得税の10%部分までの地方への移譲を図る」(1人)
「?法人所得課税」
都道府県
・「法人事業税の外形標準課税の導入(赤字法人への課税を図る)」(30団体)
・「分割基準の見直しを図る」(3団体)
・「社会保険診療報酬に係る課税の特例の見直し」(3団体)
市
・「赤字法人への課税の適正化を図る」(10団体)
・「法人住民税均等割の税率改正(税率の引き上げ及び区分の見直し)」(8団体)
・「法人税から法人住民税への税源移譲を行う」(4団体)
・「宗教法人、学校法人等公益法人に対する軽減税率の見直し」(3団体)
町村
・「法人住民税均等割の税率改正(税率の引き上げ)」(11団体)
学者
・「法人事業税の外形標準化」(3人)
「?消費課税」
都道府県
・「消費税と地方消費税の配分を見直し、地方消費税税率を引き上げる」(35団体)