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? 伸長性

高齢化の進展に伴い、今後とも高齢者保健福祉対策等を中心として社会福祉系統の経費の増加が見込まれるところであり、また、地方分権の推進に伴い、住民に身近な行政の推進等地方公共団体の役割は今後益々大きくなる。

このため、中長期的にみて、地方税は地方公共団体の増加していく経費に対応しうる収入をあげうることが必要であり、そのような意味における地方税収の伸長性の確保も重要な課題である。地方公共団体の財政需要は、一般的には経済成長に対応して増加してゆくことに鑑みれば、税収も長期的にみて、経済成長に対応して伸長していくこと(税収の所得弾性値が1程度であること。)が必要である。

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税目ごとの伸びの状況を見てみると、景気の上昇局面では、法人関係税の伸長性が大きいが、法人所得課税の税収は、前述のように安定性に乏しい。

将来にわたり地方税源を充実してゆく観点から、経済成長への感応性が比較的高く、かつ安定的な伸びが確保できる個人所得課税の確保は重要である。

他方、個人住民税の比例税率化を進め、或いは事業税の外形標準課税を導入すると、税収の伸長性が低くならないかという問題もある。いずれにせよ、今後の税源配分のあり方を検討するに当たっては、伸長性を確保するよう配慮する必要がある。

 

 

 

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