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で一時的な悪化がみられたものの,幸いにして深刻な様相を呈するには至らなかったが,災害廃棄物の処理,処分,交通渋滞に伴う自動車公害問題,公害苦情の増加など,今後とも引き続き取り組むべき問題が残されており,これらの早急な解決が課題となっている。

本稿では,かかる現状にある神戸市の環境行政の現状と課題について,その概略及び特徴的な取り組みを中心に述べさせていただきた。

※ 災害廃棄物処理事業については,平成9年度を以て完了する予定であるが,同事業の実施に伴う今後の廃棄物処分地の確保が深刻な課題となっている。

 

2 神戸市環境保全基本計画

 

(1)「神戸市環境保全基本計画」の概要

現在の神戸市の環境行政は,震災後の平成8年3月に策定された「神戸市環境保全基本計画」に基づいて推進されている。同計画は,前述の「神戸市民の環境をまもる条例」の基本理念を実現するため,同条例に位置づけられた環境保全に係る総合計画である。全7章から構成され,望ましい環境像として,「自然の摂理のもとにみんなで築く環境にやさしいまち・神戸」を掲げている。

そして,「公害がなく,環境への負荷の少ないまちづくり」「自然と共生し,うるおいとやすらぎのある快適なまちづくり」等の5つの「まちづくり基本方針」の下に各種目標や基本施策を体系化している。

※ 参考

○「神戸市民の環境をまもる条例」第3条(「基本理念」の要約)?環境への負荷の少ない持続的に発展することができる環境保全型の社会の実現

?健全で快適な環境の将来の市民への継承

?環境の資源としての有限性の認識とそれらの適正な管理と利用

?市,事業者及び市民それぞれの自党と協働

?地球環境保全への貢献

○「神戸市環境保全基本計画」5つのまちづくり基本方針

 

 

 

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