その他にも、情報誌「エコパルなごや」の発行、「女性セミナー」「親子環境セミナー」など、多彩な活動を展開している。
その外にも、環境庁が推進しているこどもエコクラブ事業による、子どもエコクラブが市内に39クラブ、447人(平成9年11月7日現在)あり、この事業の拠点にもなっている。とりわけ、環境庁と国際環境自治体協会によって、平成6年度から2年間「アジア地域地方公共団体環境イニシアティブ推進事業」が実施されたが、本市ではこの事業の成果を受けて、平成8年8月にインド、インドネシア、タイの3カ国の参加自治体に呼びかけ、子ども同士の環境交流事業を企画、実施した。3カ国から子どもの代表5名と自治体職員または環境教育リーダー2名づつ、あわせて21名を受入れ、市内の「こどもエコクラブ」会員の活動の紹介を通して環境交流を行った。各エコクラブの活動報告とともに、アジアの子どもたちからは、例えば、インド政府が行っている環境破壊防止活動の紹介や化学工場の爆発事件によって起こった最大の環境災害の寸劇による紹介など、さまざまな形での交流が活発に行われた。(図7)
(4)その他の施策
これまで、本市の施策として、?ローカルアジェンダ21?二酸化炭素の10%削減?環境教育の推進の3点について述べてきたが、その他の施策のうち、今後、積極的に推進していきたいと考えているものを取り上げて紹介しておきたい。
その第一は太陽光発電システムの導入である。これについてはすでに指定都市の中でも、神戸市、京都市などが小中学校施設に導入しているが、本市では平成9年3月から新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同で太陽光発電システムの実用化に向けた実証実験を開始した。これは、本市の鍋屋上野浄水場に70Kwの太陽光発電システムを設置し、このシステムから発生する電力を浄水プラントの運転電源として優先的に利用するもので、このシステムを約4年間にわたり実際に運転しながら、日射量と発生電力の関係や維持管理などの各種データを収集、分析しようとするものである。(図8)
さらに今後は、一般住宅用の太陽光発電導入を促進するための補助制度についても実施をする予定である。
また、低公害車の導入、普及については平成9年度末で市内に334台(うち、天然ガス車が267台)が導入されており、うち67台が本市分であるが、今後は、さらに積極的に低公害車の導入を図るとともに、ハイブリット自動車の導入を一層促進していきたいと考えている。
最後に、本市のみの施策ではないが、この地域独特の施策について少し紹介しておきたい。そのひとつは、2005年国際博覧会についてである。
この地域では2005年の3月25日から6カ月間、名古屋市の北東約20kmに位置する瀬戸市南東部において国際博覧会が開催される予定である。この博覧会は主テーマを 「Beyond Development : Rediscovering Nature’S Wisdom」(新しい地球創造:自然の叡智)、サブテーマをエコ・コミュニティ、アート・オブ・ライフということで、新エネルギー、省エネルギー、リサイクルなどの世界の最先端の技術を結集し、また、それに見合った居住空間やライフスタイルを視野にいれた循環型コミュニティのモデルを創出するとともに、世界中からそれぞれの風土や伝統の中で育て上げられた「暮らしのわざ」「生命のわざ」を持ち寄り、相互の交流を図る中で21世紀の諸課題を解決する知恵を生み出そうとするものである。
会場は通称「海上の森(カイショのモリ)」と呼ばれる里山で540haのほとんどが二次林で覆われており、起伏に富んだ地形であることとシデコブシなど、いわゆるレッドデータブックに載る希少種が発見されたということもあり、地域住民の反対運動がある地域である。現在、通産省において環境アセスメント法の趣旨を先取りした要領をまとめつつあるが、まさに、自然との新たな関わり方が問われている。この21世紀最初の本格的な国際博覧会の成否は、新世紀における環境問題への取り組みの方向性を示す大いなる実験場となるもので、本市としてもこの博覧会に積極的にかかわる中で、自然と共生した新しい都市づくりのあり方を考えていきたいと考えている。(図9)
今ひとつは、木曽三川水源造成公社についてである。樹林が二酸化炭素の吸収作用を持つことはよく知られているところである。その意味での地球温暖化対策として植林効果を再度見直すことが求められている。本市では、昭和44年から愛知、三重、岐阜県など隣県と岐阜県内の市町村、森林組合とともに(社)木曽三川水源造成公社を設立し、木曽三川の水源地域において水源のかん養を実施してきた。整備面積はすでに本市の市域面積の約1/3にあたる10,595haにも及び、スギ、ヒノキを中心に、最近ではクリ、ホウなどの天然林の育成も手掛けているが、今後は二酸化炭素の削減という観点から、こう