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最近,国や自治体で試行的に導入し始めた「環境家計簿」は,環境への配慮を数値的に捉えられるという点で有効な手段であり,今後もその拡大が望まれる。さらには,低公害車や太陽光発電など環境にやさしい製品を生活に普及・浸透させるための支援,現在・未来における環境変化に関する情報提供などの積極的な推進が求められる。

(3)リサイクル基盤の確立

廃棄物の最終処分場が通過するなか,減量化に向けた中間処理施設整備の必要性が高まっている。その一方で,環境問題や騒音問題などに起因した周辺住民との軋轢や高度な土地利用などを背景に,その立地は困難さを増しているのが現状である。今日,自治体は本来果たすべき廃棄物処理に対する事業者責任と最終処分場の逼迫という現状の狭間で,大きな選択を迫られている。

現在,リサイクル工場団地構想を掲げ,中間処理施設の共同化・集団化を進めることで現状解決に向けた取組を始めている。これまでの制度的・経済的な公共関与の効果検証を踏まえ,今後の公共関与のあり方を模索しているところであるが,現在の廃棄物処理施設が環境問題の解決に欠かせない施設であることを考えると,かつての都市基盤施設としての道路や上下水道整備同様,公共整備の必然性が認められるのではなかろうか。

廃棄物処理は自区内での解決が図られなければ,完全な減量化・資源化が達成されない以上,結果として他の自治体の協力に頼らざるを得ない性格の問題であることを十分認識し,今後の対応策を検討していく必要がある。

[引用資料・出典]

本文章は,以下の資料に基づいてまとめたものである。

・ゆめはま2010プラン:横浜市企画局

・横浜市環境管理計画:横浜市環境保全局

・横浜環境白書 平成8年版:横浜市環境保全局

・横浜市産業廃棄物処理指導計画:横浜市環境保全局

・横浜市音環境配慮指針:横浜市環境保全局

・横浜市水環境計画:横浜市環境保全局

・平成9年度 環境事業概要:横浜市環境事業局

・横浜市緑の基本計画:横浜市緑政局

 

 

 

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