? まちづくりの基本理念と具体的方策
川崎市の北西部地域を川崎の最端部と考えるのではなく、新たな視点で地域を見る必要がある。つまり、東西軸(新百合ケ丘・多摩ニュータウン)と南北軸(稲城市開発・町田市開発)の交差する地域ととらえるべきものである。また、東京多摩地域との関連を中心に考えるべきである。事例として、黒川・黒川東・片平・古沢の市街化調整区域をとりあげ、土地利用イメージを明らかにする。  ̄
ア 黒川地区
黒川上地区は農業振興地区だが、認定農家の後継者は少ない。不耕作地、低未利用地も多くみられる。周辺の大規模住宅団地にはさまれ、都市との交流を含めた新しい提案が必要となっている。
たとえば、都市のグリーンオアシスとして、地域内に宿泊型農業、ふれあい施設を設置したり、都計道町田調布線の整備と一体的に大規模な直売店(黒川・栗木及び川崎北部の農産物を対象)を設定すること、周辺大規模住宅団地への新鮮な農産物を供給も可能である。
だが、注意しなくてはならないことは、既に後藤氏の言葉を引き述べたとおり、あくまでも農地を持ち耕作される方々が主役だということである。地域のキーマンとともに、農業振興地区を核とした新たな検討の場づくりが求められている。
イ 黒川東地区
駅前型農業(若葉台・黒川駅から200m、駅から近い都市農業)としての意味を活かせれば新しい展開がある。
次のようなことが考えられる。
・稲城市内坂浜平尾地区土地区画整理事業で整備される農業用地と行政域を越えた一体的地域ととらえ、更に黒川地区等との連携を強め、一層の農業振興を図る。
・京王線若葉台駅側は周辺の動向を見極め、駅と坂浜平尾地区の交通動線、土地利用上の対応が必要(農業生産物の直売所・住宅施設等)
ウ 片平地区
緑の中に教育・農用地・福祉施設が立地する地区である。
・本地域の周辺では、市域で栗木第2・片平地区、また、町田市で鶴川第2(64ha)・能ケ谷東部(25ha)の区画整理事業が進行中で