日本財団 図書館


一方、環境の保全に関する施策を策定し、実施していくためには、多方面にわたる専門的な知識や広い視野に立った多角的な判断が必要となる。従来、札幌市では「札幌市公害対策審議会」を設置し、公害に対する様々な課題について意見を聴き、各種の施策を実施してきたが、環境基本条例に基づき、これに替わる市長の諮問機関として平成8年7月に「札幌市環境審議会」を設置した。

この審議会は、市長の諮問に応じ、環境基本計画に関することや環境の保全に関する基本的事項について調査審議するもので、次の30人以内の委員で組織される。この委員の中には、市民参加の機会を確保する仕組みの一つとして、前記の「札幌市環境保全協議会」の推薦を受けた者を含めている。

?学識経験を有する者 15人以内

?関係行政機関の職員 8人以内

?市議会議員 5人以内

?札幌市環境保全協議会の推薦を受けた者 2人以内

「札幌市環境基本計画」は、環境基本条例の理念の実現に向けた環境の保全に関する全ての施策を総合的かつ計画的に推進するため、環境基本条例の規定に基づき策定するものである。この環境基本計画の策定にあたって、平成8年7月に『環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための環境基本計画の基本的考え方は、いかにあるべきか』ということについて札幌市環境審議会に対して諮問をし、平成9年2月に答申を得たところである。

答申では、札幌市における環境保全施策展開の具体的な方向として、

? 循環型都市の構築

? 環境への負荷の低減に向けた新たな環境文化の形成

? 都市の外部における健全な生態系の保全

? 良好な都市環境の形成

? 地球環境保全への取組

? 健康で安全な生活環境の確保

の6項目が示されており、これを基に同計画の素案をとりまとめ、審議会で審議を行っているところである。

なお、環境影響評価については、現在、札幌市独自の制度はないが、環境基本条例に環境影響評価の措置について規定されていることから、札幌の社会条件、自然条件なども考慮し、札幌にふさわしい実効性のある制度を確立する予定である。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION