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を図るための取組み、及び(3)あらゆる主体の「参加」と「国際的取組み」に関する施策の代表例として、それぞれ、「廃棄物・リサイクル対策」、「快適環境づくりの施策」、及び「地球温暖化防止のための施策」について紹介する。

(1)廃棄物・リサイクル対策

先に述べたように、廃棄物の量の増大、廃棄物の質の多様化、最終処分場の残余容量の逼迫等に伴い、資源採取から廃棄に至るまで各段階での環境への負荷が高まっていることを踏まえ、社会を持続可能なものにするため、経済社会システムにおける物質の循環を促進し、環境への負荷を低減する必要がある。

廃棄物・リサイクル対策の考え方としては、第1に、廃棄物の発生抑制、第2に、使用済み製品の再使用、そして第3に、回収されたものを原材料等として利用するリサイクル、最後に、発生した廃棄物の適切処理との基本的な考え方を明らかにしているところである。

? リサイクル対策の推進

国レベルにおけるリサイクル対策としては、環境への負荷の低減、廃棄物の再生利用、再生資源の回収・利用を促進するための「再生資源の利用の促進に関する法律」、リサイクルを推進するための設備の導入、技術開発を推進する「エネルギー等の使用の合理化及び再生資源の利用に関する事業者活動の促進に関する臨時措置法」に基づく金融・税制上の支援を行っている。

また、一般廃棄物の太宗を占め、かつ、再生資源としての利用が技術的に可能な容器包装について、市町村による分別収集及び事業者による再商品化等を促進するシステムを構築するため、平成7年に「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)」が制定された。

? 廃棄物対策の推進

廃棄物の発生量の増加・多様化、最終処分場に対する住民の不安感の高まり等から、廃棄物処理施設の確保が困難となっており、また、廃棄物の不法投棄等の不適正な処理が大きな社会問題となっている。こうした状況に対処するため、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)」及び「産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律」に基づく廃棄物処理センター等の施設整備を推進している。特に首都圏においては、建設発生土を全国の港湾建設資源として広域的に有効活用するプロジェクト(フェニックス計画)が平成6年度より実施されている。

(2)快適な環境づくりのための施策

環境基本計画では、「共生」として、「大気、水、土壌及び多様な生物等と人間の営みとの相互作用により形成される環境の特性に応じて、かけがえのない貴重な自然の保全、二次的自然の維持管理、自然的環境の回復及び野生生物の保護管理等、保護あるいは整備等の形で環境に働きかけ、その賢明な利用を図るとともに、様々な自然とのふれあいの場や機会の確保を図るなど自然と人との間に豊かな交流を保つことによって、健全な生態系を維持・回復し、自然と人間との共生を確保する」ことを長期的目標として掲げている。

この「共生」を達成するための施策として、国土空間の自然的社会的特性に応

 

 

 

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