特に悪意にもとづくわけではないが、正当な権限を持たない内部者が、業務上の慣行や人間関係から、不用意にネットワークにアクセスし、結果として不正利用となるケースも起こりうる。例えば、ネットワークの利用権限がある者がログインし、利用している端末を、他の利用権限のない者が、そのままの状態で借りてデータを引き出した場合は、端末の無断使用であり、不正アクセスともいえる。
実際に統合型GISが利用される現場では、このような形での不正アクセスが起こりうる可能性を否定できず、従って、特に、個人情報等の機密性の高い情報の管理がルーズになることは、努めて避けなければならない。
この場合、運用レベルでのネットワーク利用ルールの策定・アクセス権限の明確化に加え、実務上は、教育・研修制度の整備により、職員の情報リテラシーの向上を図り、不用意な行動による不正アクセス等が重大な過失であることを充分に認識してもらい、庁内ルールの遵守を図る風土の育成を図ることが望まれる。