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? ISO/TC211の品質評価

ISO/TC211における品質とは、報告書第3章(1)(b)にあるように大きく分けて、完全性、論理整合性、位置精度、属性精度、時間精度の5つの品質要素から成り立っている(報告書第3章表3-2、表3-3参照)。品質評価とは、これらの5つの品質要素毎に評価を行うのであるが、そこでの評価は指示された仕様どおりにデータが整備されているかを検査し、その達成度合いを割合で示すことで数値化されるものである。

その評価の基準は、データ整備時に提示された仕様である。その仕様どおりにできあがっていれば高い品質であるが、別の仕様に照らし合わせてみるとオーバースペックであったり、全く仕様を満たしていなかったりすることになる。つまり品質とは、仕様に対して相対的なものであり、絶対的なものではない。

 

?調査手法の概要

品質が相対的なものであるということを前提に考えた場合、既存のデータの品質を評価するということは、そのデータを作成したときの仕様を調べ、その仕様に対してデータの整備内容の達成度合いを調べることになる。つまり評価すべきデータの仕様書とデータを比較することである。

したがって、今回の調査対象となった情報は、それぞれ別の目的で整備され、かつ別の仕様に基づいて作成されたものであるため、個別の品質評価を行うこととなってしまう。

しかし、これでは、それぞれの品質評価結果が仮に数値化されたとしても、全く別の基準に基づくものであるため、意味のないものとなってしまうことから、本調査では、それぞれが全く別な仕様に基づいて作成されたデータであることを前提としながらも、それとは別な仕様(基準)を、5つの品質要素毎に設定し、その仕様(基準)と既存データを比較することとした。

なお、本調査の目的にも述べたように、本調査は品質検査手法の実証が目的であり、対象範囲が狭く検査の件数が少ないことや、必ずしも設定した仕様(基準)が適正なものとは言い切れないことから、その評価結果数値そのものを算出すること目的としていないことに留意されたい。

 

 

 

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