日本財団 図書館


に明示していくことは、利用者の利便性の向上を図る観点からも有意義なことと考えられる。

 

(?)クリアリングハウス

統合型GISとクリアリングハウスとは一体をなし、データ共用の第一ステップは、クリアリングハウスの構築にあるとも考えられている。クリアリングハウスを構築し、作成・提供者から収集した庁内の空間データに関わる情報を一括管理し、データの範囲や品質水準等を利用者に明示することで、利用者が共用データの範囲を認識し、正しくデータ品質を把握した上で、納得に基づき利用していくことが促進される。このような情報センター機能に加え、データ形式・座標形式・交換基準等の技術的な情報を明示し、庁内におけるデータ流通面での技術的なサポート機能を付加することも可能である。

このように、クリアリングハウスは、庁内でのスムーズなデータ共用を実現する面において、中心的な役割を担う。

 

(?)メタデータの表示

クリアリングハウスのメタデータにより、活用可能な空間データに関する属性を示すことは、庁内で適切な情報流通を促進する上で肝要となる。メタデータを表示することにより、ユーザーは品質レベルや作成にあたっての引用先等を理解した上で必要な共用データを利用していくこととなり、この利用形態の定着により、統合型GISでは適切なデータ流通が促進されていく。

 

(i)メタデータ表示の必要性

ユーザーが、特定の空間データを検索し利用するためには、空間データの属性に関するデータ、すなわちメタデータが必要である。これは、ユーザーとしては、自らの使用目的に、検索した空間データが合致しているか否か、そして、空間データ自体の品質が一定水準を満たしているか等の、確認を行うことが不可欠となるからである。メタデータは、空間データとは区別されるが、空間データの属性情報として一体不可分のものである。

とりわけ、共用データに関しては、データを作製した当事者以外のユーザーが利用することが想定される。したがって、共用データに関するメタデータの作成指針は、統一しておくべきである。これにより、ユーザーも、メタデータの持つ意味を簡単に理解することが可能となり、共用データの利用が促進されるものと考えられ

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION