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うこととなり、共用データ管理用の新たなサーバーを構築する必要はない。また、各端末の検索機能や、異機種間でデータ交換を可能にするミドルウェア等により、クリアリングハウス機能は実現されていく。この形態は、一部の小規模地方公共団体や、大半の大規模地方公共団体に該当するものと考えられる。

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上記において、データを庁内で共用する方法を三種類紹介した。既に、複数部署において個別GISの整備が進んでいる地方公共団体の場合にも、同様にこの二つの方法があてはまるが、一般的に、各個別システムの保有しているデータの一部を共用していくことの方が取り組み易い。この場合は前述の通り、共用データが個別GIS側に存在するため、共用データを集中管理するサーバーは必要でない。なお、個別GISの整備が進んでいる場合には、今後、データの二重整備や独自の更新の回避を図っていく上で、データの共用化が重要となるのである。

また、小規模地方公共団体では、GIS全体でソフトウェア・ハードウェアを統一化することが比較的可能な場合が多いとはいえ、利用面において独自性が高い部署では、当該部署の業務に適した異種GIS製品を導入していくことも考えられる。いずれにおいても、できるだけ統一したフォーマットで空間データを整備し、部署間でのデータ交換を容易にしていくことが基本となる。しかし、異種GIS製品を導入する場合には、庁内で一定のデータ交換基準を定め、それに準拠した空間データを整備していくことで、異種GIS間でのデータ流通の円滑化を図る必要も出てくる。

さらに、GIS以外の既存システムとの連携も、ニーズの高い分野から実施していくことが望ましい。その連携手法に関しては、第4章(3)において記述していくこととする。

 

?共通インターフェースの導入〜理想的な統合型GISの実現

小規模地方公共団体においては、市場におけるデファクト・スタンダードが明らかになってきた段階において、共通インターフェースの導入が開始されることが望ましい。これは、デファクト・スタンダードとなる共通インターフェースは、他の仕様に比べ、利用の継続可能性がより高く、全庁的に統一して導入していくことで、費用面からみて、将来的に大きなメリットがあるからである。

既存のGISに共通インターフェースを導入していくとともに、各部署において新たに整備する個別GISには、その共通インターフェースの利用に準拠したシステムを選択していく。また、初期の段階で、クリアリングハウスを設定し、データの所在や項目を庁内に明示していくことが重要である。最終的に、必要な範囲における、共通インターフェースを介した個別GISとクリアリングハウスとの連携を全て実現していく。

他の庁内情報システムと、統合型GISとの連携も共通インターフェースの導入により実現されていく。したがって、他の庁内情報システムと統合型GISとの間についても、共通インターフェースの整備は、連携ニーズの高いシステムとの間を筆頭に、並行して段階的に進められることが望ましい。

 

 

 

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