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―夕に関する品質を含めた情報が、メタデータとして全庁的に表示されることで、利用者は品質レベルを承知した上で、共用データを利用することが可能となる。

 

(?)データベースの品質管理

これまで、GISデータベースの品質の管理については、きわめて限定的にしか行われていない。すなわち、入力・更新用に作成される断片的データだけの品質管理であり、全てのデータを対象としているものではない。(図3-3参照)例えば、航空写真測量等により、データベースの内容が一括して整備される場合、つまり初期構築の場合には、航空写真測量の成果が十分な品質を持つようにコントロールすれば、データベースの内容も結果的に十分な品質を持つ。

しかし、データの更新段階では、更新用のデータの品質は、そのままデータベースの品質とはならない。例えば、建築確認申請書に基づいて家屋データを更新する場合であるが、建築確認書の内容を更新用データとして入力する作業が、仮にl00%正しく行われた場合でも、それに基づいて更新される家屋データベースの内容は必ずしもl00o%実態に即しいるわけではない。これは、建築確認申請自体が、建物の新築や増築を必ずしも100%網羅しているわけではなく、確認申請なしに建築・増築される建物が存在したり、申請書の内容通りに建築されない建物が存在すること等による。そこで、データベースの品質を維持・管理することを明示的な目的とし、個別の入力・更新用データの品質を管理するのと同時に、データベース全体についても定期的な品質検査を行う必要がある。

こうしたデータベース全体の品質検査を行う手段としては、個別のデータの作成プロセス管理を中心とする従来からの測量作業に関する規程では不十分であると言える。このような観点から、改めて、共用データ項目を対象とした、データベース自体を含めた品質管理手法に関して整理していくこととする。

以下において、地方公共団体を対象とした、空間データとデータベースの品質管理作業の構成を、4つの分野に分けて記述していく。それに当たり、次のような前提を設けることとする。

 

●共用データの品質管理は、地方公共団体が行うものを考える。データの作成を行う、民間企業内部での品質管理については触れない。

 

●品質管理の最終的な目標は、データベース自体の品質とする。それを維持するための副次的な目標として、個別のデータの作成や維持更新作業における成果物の品質評価・管理、工程管理等を行う。あわせて、データベース自体の品質評価も行う。

 

 

 

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