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を紹介する。

フィンランドは総面積38.8万平方キロメートルであり、国家土地測量局が1:20,000の地形図データベースを1992年より提供している。品質管理上の特色は以下の通りである。

1)品質管理作業の基本をIS09004(Quality manegement and quality systeme elements-Guidelines)に求めている。

2)データ項目毎(参考)に示すような定量的な要求品質水準を定義しており、全数検査、サンプリング検査(IS02859-1974(E)とIEC410(1973)に準拠)を組み合わせて適用している。なお、履歴、完全性、新鮮さ、位置精度、属性精度(時間的精度、分類精度)、論理的整合性が、品質要素になっている。

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より詳細には、全数検査については、データ作成の元資料(航空写真など)とつきあわせることにより検査が行われる。また、サンプリング検査については、まず同じ時期、同じ方法で作成されたデータセットを1km四方のグリッド区域に分割し、そのグリッド区域をランダムにサンプリングし、その地域の中のデータをすべて現地調査することで検査が行われる。その際、対象物に応じて、重要度の相対的な重みをつけたり、要求品質水準を変えることも行われている。なお、要求品質水準は、(IS02859-1974(E)とIEC 410(1973)におけるAQL(Acceptable Quality Level)として定義され、「その品質を持ったデータが検査で落とされることはほとんどない」という水準であり、検査に合格して配布される実際のデータの品質はその水準よりさらに高くなっていると考えられる。

 

1)Veijo Paetynen. Ismo Kemppainen and Reima Ronkainen(1997). Testing for colmpleteness and Thematic Accuracy of the National Topographic Data System in Finland.

2)National Land Survey(1995), Topographic Data Quality Model. ISBN951-48-0133-5

 

 

 

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