すでに権限委譲が実際に行われているものなどを洗い出し、それらを比較してみますと、ほぼ人口20万ぐらいを一つの基準としており、そのあたりに線が引けるのではないかということで、人口20万以上というものをとり上げたわけでございます。
検討の過程では、5万きざみで細かく検討したわけですが、あまり細かくなりますと、それこそなんで15万で良くて、20万で駄目なのだということになり、合理的な根拠を示すことができません。また、中核市の次に1ランク設けないと、一番小さい市は人口が1万を切っているところもございますので、なかなか権限が委譲できないということになるわけです。そこでいろいろな観点を考慮した結果、20万以上の市ということで一応線を引いたということでございます。もちろんこれを例えば地方分権特例市という形で制度化する場合には、いろいろな要件を考える必要があろうかと思っております。
川島
もう一つの論点としては市町村合併といいますか、受け皿の問題が出ましたので、これについても一言ずつ簡単に伺いたいと思います。経済界では行政の効率化を求めており、市町村合併というか、受け皿をきちんとすべきだという意見が強いわけですが、道端さん御自身は市町村合併といいますか、人口規模を大きくして受け皿を強くするということについて、どのようにお考えでしようか。
道端
分権を進めてまいりますと、地方自治体の仕事の量が増えてまいります。こちらの自治体は30万人、あちらは200万人というように人口規模が異なっておりますと同じ仕事をするのでも随分とやり方が異なるでしょうし、必要な資金の額も変わってきますので、地域によって税金や公共料金も変わってくるでしょう。そのような中で、人口や面積など統一的、客観的基準で区切るだけでは不十分ではないかと思います。私は特に人材の問題を考慮する必要があると思います。つまり、分権を担えるだけの能力のある人材が果して地方にどれだけおいでになるだろうか、ということです。先ほど市町村の職員の方々はものすごく努力してレベルアップする必要があるというお話がありましたけれども、当然そうしなければ地方分権は進まないと思います。
川島
知事、何かご意見ありますか。