これは非常に大きな意味を持っているのではないかと思っております。
率直に申し上げまして、議会の役割、あるいは議会の果たさなければならない責任がこれから非常に大きなものになっていくということは強調して申し上げていいと思います。先ほど事務の委譲だけでなく、国の関与を縮減することも一つの分権であると申し上げましたけれども、今まで制限されていた立法権が回復されるということもまた一つの分権です。野中町長からお話がございましたけれども、これまでは地方の立法権が制限されており、その代わりに国が決めた通達で事務を処理してきたわけですが、今後は通達をやめ、条例でそこを埋めるということになるわけです。ですから、そういう意味でいいますと、議会の役割は非常に大きくなります。したがって、議会の議員さんの身分や地位に関する仕組みというものもこれから検討していくべき課題になるのではないかと思っております。
もう1点申し上げておきたいのは、これまでは機関委任事務制度の下で、議会の持っている役割が制限されていたことから、住民と市町村なり都道府県の間で、議会が十分に媒介機能を果してこなかったという面があるのではないかという気がしております。これは、情報公開や住民投票が最近話題になっているということにも関係しており、議会の役割と密接に係わる基本的な問題ではないかと思います。そういった面も含めて、地方議会のあり方というのは、今後、大きく変わってくると思います。ただ、分権委員会ではそれぞれの議会がどういうことをするかをお決めになることは、まさに地方自治の問題でありますので、あまり細かい議論はしておりません。これからの課題であるというように考えております。
それから市町村の規模でございますが、これについては、第4次勧告に市町村の規模別の権限委譲というところがございまして、政令指定都市、中核市、人口20万以上の市などといった区分を設けております。人口だけで線引きするのはおかしいのではないかという御意見ですが、これらのうち人口だけを基準にしておりますのは、人口20万以上の市というところだけでして、御存知のように指定都市、中核市などというのは、すでにある制度で設けられている市でございまして、これは人口以外の要件ももちろん考慮の上で指定されているわけです。