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質問者

先ほど野中町長がおっしゃったとおり、財源の裏付けのない地方分権というのはありえません。権力は金があるから生まれるのです。私は行財政改革のないところに地方分権というのはあり得ないと思います。憲法の理念にもう一度返って、主権在民の精神を尊重して地方分権と行財政改革を進めていただきたいと考えております。

 

質問者

地方税のうち、例えば法人住民税や法人事業税などは国税である法人税に連動して決定されております。本来、地方税は独立しているべきであるのに、国税に付随する形で税額が決められます。分権委員会においては、このような現在の地方税制度の改革も併せてお考えいただく必要があったのではないかと思っております。

 

質問者

地方分権の推進については実現性の高いところまで来ていると思いますが、受け皿論については、先ほど諸井委員長から、あまり触れることができなかったという話がありました。受け皿論を論じていたのでは地方分権が進まないということから、議論を後回しにしてきたのだと思います。私も受け皿論についてはあまりこだわることはないと思いますが、ただ、権限の委譲を受ける都道府県や市町村について、現状の財政規模、人口規模、面積規模なりがそれでいいものなのかどうか、また、合併の是非といった点についてどのようにお考えなのか、先生方の御意見をお聞きしたいと思います。

 

質問者

国から府県への権限委譲がある程度進みますと、今度は府県と市町村との役割分担という話になろうかと思われます。そこで第4次勧告では、市町村の規模等に応じた権限委譲について触れておられるわけでございますが、市町村を人口基準だけで規模別にふるい分けをされている点は、今後、問題を残すのではないかと思います。

敗戦という非常に大きなダメージを受けた我が国が、欧米に追いつくために、中央集権の効率的な行政を進め、その結果として今日の繁栄があるわけですが、これからは国土の均衡ある発展を目指しながら国民の暮らしを豊かにしていかなければならないということになりますと、一極集中を排して、過疎過密をなくさなくてはいけないと思います。そういう視点に立って考えますと、権限委譲を市町村の人口規模だけで区分するのではなしに、農地や山林面積なども考慮すべきではないかと思うわけです。分権委員会ではこうした点についてはどのような議論がなされたのか、森田先生に伺いたいと思います。

 

 

 

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