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毎年、補助金を1割減額するということでございますけれども、一律ということではなく、必要なものと整理すべきものをどう区分していくのかということを明確にしていかないと何もできないということになるのではないでしょうか。

それには、大蔵省や自治省と徹底した議論を展開していかないと、非常にむずかしいと思います。また、貧しい自治体も裕福な自治体も一律に公平になるような制度改革をしようと思っても、それは非常にむずかしいのではないかと思われます。行政としては財源がなかったら何もできないというのが現状ですから、貧しい団体は政府から補助金をもらわないとやっていけなくなり、そこに無理な陳情が生まれてくることもあり得るわけです。こうした点をはっきりしないと、問題が今後も出るのではないかと思います。

 

川島

荒巻知事、道端さんから、地方側の問題点も含めて、丁寧にお話しいただきましたが、これについて、森田さん、何かお考えになっていることがあれば、お話しいただきたいと思います。

 

森田

私の専門は行政学であり、財政学ではないものですから、的確にお答えできるかどうかわかりませんが、私自身も、税財源の問題についてはなかなか難しいと思っておりまして、勧告では、きちんと踏み込めなかったかなという気はいたしております。先ほどから思い切った財源委譲が必要だという話がございますけれども、財政構造改革会議や行政改革の動きの中で、財源問題に踏み込むにはかなり情勢は厳しかったのではないかという気がいたしますし、大蔵省その他の壁があり、なかなか合意を得ることは難しかったと思います。

一つ言えますのは、これは神野先生がおっしゃっていることですが、今回の補助金税財源の改革には、そうした大枠そのものを変えることはなかなかむずかしいということもありまして、実現可能な部分に焦点を絞っております。先ほどの権限の話ともかなり共通するのですが、枠組みそのものを変えるよりも、むしをその中での自己決定権の範囲を広げるということから、奨励的補助金を廃止して一般財源化を進めるという方向を示しております。それから、地方財政制度でいろいろ批判のありました地方債の許可制度その他について、廃止の方向で見直すと述べているわけでございまして、そちらのほうは評価していただきたいと思います。

 

川島

小幡さん何かございますか。

 

 

 

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