係争処理の仕組みもつくられますので、必要があればそれも積極的に活用していただきたいと思っております。
川島
そうすると諸井委員長のお話は大変結構であり、あまり批判すべきところはないということでしょうか。
小幡
その点は後でいろいろお話がでると思いますので、後ほど議論させていただきたいと思います。
川島
それでは、野中町長お願いいたします。
野中
分権委員会の皆さんには大変ご苦労いただいて、勧告を出していただいたわけでございますが、財政的な裏付けがきちっと明確にされていないことについては、いささかの不満がありますし、不安がございます。すでに福祉関係では府県から市町村に権限委譲が行われてきておりますが、財源措置は一つも伴っておりません。市町村に過重な負担を強いているだけというのが実態でございます。それだけに諸井委員長さんの御苦労はわかりますけれども、やはり財政的な裏付け、特に税の委譲について明確にされていない点は不満が残るわけでございます。
私たちは国税と府税と市町村民税という3つの税を別々に徴収されておりますが、いちばんおいしいところは国がみんな取り上げ、その次に府県が持っていくわけです。そして一番最後に残った資産に対する税などだけが市町村に残されているというのが実態でございます。所得と消費と資産の3種類の税しかありませんので、私は国税も府県税も市町村税も一つにして徴収するべきではないかと考えております。税収を市町村の持ち分、府県の持ち分、国の持ち分をもとに明確に分けるような制度にすれば、それこそ人件費だけでも半減するような行政改革ができると思います。このあたりの議論については諸井委員長のお話では、税制調査会があるからそこまで踏み込めなかったということでございますので、それはそれで止むを得ないとしても、これからの税のあり方については問題提起をしていきたいと考えています。
もう一つの不満は行政の予算、決算のあり方についてはなんら指摘がされていないということでございます。私は若い頃、商売をしておりました。そして行政に身を置いて、行政が単式簿記でやっているのを見て驚きました。民間は複式簿記でやっており決算では試算表をもとに貸借対照表や損益計算書をつくりますので、それぞれ自分の会社の経営状況がきちっと把握できるようになっております。