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基調講演

 

第4次勧告に盛り込んだものの一つは機関委任事務制度廃止後の事務区分でありまして、これは第2次勧告でほとんど終えたのですが、まだいくつか残っていたものがありまして、それを全部整理いたしました。従って561の項目はすべて自治事務か法定受託事務かという整理が済んだわけでございます。結果としては、6:4の比率になりました。法定受託事務が4割もあるのはけしからんといって叱られており、私どももそういう気持ちもないわけではないのですが、よく考えていただくと、今まで知事さんの仕事の7、8割が機関委任事務であったものが、そのうちの4割だけが法定受託事務として残ったわけでありますから、全体で見ますと、7割が自治事務ということになり、比率がまったく逆転したわけです。これはやはりそれなりに評価していただいてよいのではないかという感じがするわけです。将来状況がいろいろ変わってくれば、あるいは法定受託事務から自治事務に回ってくるものもあるかもしれません。

それから自治事務で合意付の事前協議を必要としているものがあるのはけしからんと叱られます。誠にごもっともですが、合意付事前協議を認めないのならば、法定受託事務にするしかないというものですから、そのあたりは妥協したわけでございます。今こんなことをいったら叱られるかもしれませんが、将来この合意付というのは、国民の世論によって、合意不要ということに変えていくことが可能なのではないかと、私は考えております。

2つめは団体委任事務に関する国の関与であります。我々は機関委任事務制度は今のようなことで、多いに問題があるが、団体委任事務というのはすでに自治体にまかせてあるような仕事であるのだから、これにはそんなに国の関与はないと思っていたわけです。しかし、蓋を開けてみたらあるわあるわでいっぱい関与がある。しかも相当厳しい関与もあります。だいたい800ぐらいあるわけですが、これはいかんということで、それを整理いたしました。その内の約300については少し厳しい関与を認めざるをえなかったわけですが、それ以外の約500は通常の自治事務の国の関与の範囲に止めるということにしたわけでございます。

 

 

 

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