我々が示した勧告をもとに、政府が計画を作り、その計画に基づいて、各省が法律制度を改正していくというアクションに移ることになるわけです。そうなりますと、各省のアクションがきちんと行われているか、さぼってなし崩しにしてしまおうというところが出てこないか、あるいは法律制度の改正を自分達の勝手な解釈で行っていないか、といったことを監視していくことが必要となります。我々はそのための監視も行うということになっております。監視した上で、もしおかしい点があったら、総理大臣に対して、意見を述べることとなっておりまして、総理大臣はその意見を尊重しなければならないという法律の仕掛けになっております。今お聞きになっておわかりのように、この法律は非常に強力な法律ですし、歴史的にも大きな意味のある法律であろうかと思います。
我々はこの法律に基づきまして、とにかく勧告を出していかなきゃならないということですが、5年間の中であとの半分はやはり監視の方へ向けないと、勧告したのはいいのだけれども、実現しないでお辞めになってしまったということになりかねません。監視の期間を十分に取っておかないと、勧告の意味がなくなります。このため、少なくとも前半の2年ぐらいの間に、先ほど申し上げた項目についての勧告を全部出し切ってしまわないといけないということになりました。これが大変忙しい仕事になりまして、ほとんど毎日のようにいくつも会議をこなし、これまでの間に四、五百回は会議をやってきたと思います。
1995年の7月3日にスタートして、 10月には専門委員として24名の方をお願いいたしました。くらしづくり部会と地域づくり部会の2つの部会を作って、くらしづくりの方は労働省、厚生省、文部省の関係、地域づくりの方は建設省、農水省その他の役所の関係を分担しています。これらの部会で権限委譲の問題とか、必置規制をどうするかという問題をやりつつ、まずは機関委任事務制度の問題をやらなくちゃいけないということになりまして、今日主催しておられます地方六団体からの御意見を伺いながら、一方では各省庁の意見を聞いていったわけです。しかし、いくらやっても意見が真っ向から対立してしまって、一致点が出てきません。こういう状態が1996年の3月ぐらいまで続いたわけです。ところが3月には中間報告を出せということを与党3党から頼まれておりました。