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篠崎

増田知事ね、いわゆる答え方は難しいかもしれませんけど、この問題についての議会の役割というのは大変大きいと思うんですよね。それと地方自治体職員の意識改革というものも先ほどから取り上げられていますけど、このあたりを能力論ともからめてどういうことが課題になりそうなのか。そのあたりいかがでしょうか。

 

知事

いわゆる能力論については、職員一人ひとりの能力の問題と地方公共団体トータルとしての行財政能力の問題があるかと思いますが、職員個人の行政執行能力については、国の職員であろうが地方公共団体の職員であろうが、県だろうが市町村だろうが、これだけいろいろ複雑な実務をこなしているわけですから、能力という点においては何も変わりないだろうと思います。後は、いろいろな実例を見ているかどうか、知っているかどうかといったことに関わる問題であって、これは経験を積めば、あるいは工夫をしていけば間違いなくそういった能力は備わるわけでありまして、先ほども申し上げましたが、私はこういったことははじめから全部がすべてうまくいくわけはないと思いますが、試行錯誤を繰り返しながら必ず達成できると思っております。ですから、そういう面では何も心配はいらないのではないかと思います。

それから、地方公共団体トータルとしての行財政能力については、受け皿論でもいろいろ議論されているように、自治体の行財政能力を高めるという観点から、市町村合併がこれから大きな議論になってくるだろうと思いますが、現実の姿として、例えば、今日おいでの山形村さんとその周辺の町村が合併した場合に何か変わるのか、具体的な効果があるのかということを実際に考えた場合、地理的な状況だとかいろんな条件がありますが、財政力の面でどういうふうに向上するかというと、やっぱり現実的には合併のメリットを考えにくいのが率直なところではないかと思います。いろいろな見方があり、結局はそこに住む住民が決める話ではありますが、私などはそう思います。こういういわゆる過疎地域については、都市部とその周辺町村について都市機能を向上させるために、どう合併させていくのかといった議論とやはり違うような気がしておりまして、それぞれ別のものとして分けて考えていくべきだと思います。県議会のほうでも市町村合併の考え方についてご質問がありまして、私はそのようにお答えしたところです。

地方自治体の合併の議論は、いろいろな考え方があって然るべきだと思いますが、その際に留意しなければならないのは、白紙のキャンバスの上でこれから市町村あるいは県の適正規模・数はどれぐらいかということを議論するのとは違って、今現実に全国に3,300近くの市町村があって、そこに各議会の議員が大勢おられて、それに職員もいて活動しているという状況の中で、これからそういった問題を考えていくということですから、やはり地域に根ざした議論というのが、どうしても必要だろうと思います。

 

 

 

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