日本財団 図書館


その時に、これは報道関係者を対象ですけど。その時にですね、各党の政策責任者がいずれも分権の受け皿、能力論を取り上げまして、その中でも共通していたのが市町村合併です。
これを進めないと実質的な分権は進まないんじゃないかということを、共通して各党が主張をしました。ある党の有力政党の政調会長さんは、それを強調しながら「でも、これを選挙区で言うと票が減る」ということで、選挙区以外でこれは強調しているんだというふうに言っておりましたけど。先ほど小笠原さんが市町村合併についても触れられましたけど、地方制度調査会が昨日発表したアンケート調査では、60数%ですか町長さんの。それが市町村合併推進に前向きと出ていました。ただ、傾向とすると自治体の規模が小さければ小さいほど消極的になるという傾向がでているというアンケートの結果がでておりますけど。小笠原さん、いわゆる分権の受け皿、能力論としての市町村合併、あるいは自治体の力のつけ方ですね、このあたりについてはどういうふうにお考えですか。

 

小笠原

私も消極的な方の立場です。能力論から市町村合併をするわけですよね。その能力ということになりますと、どういう能力がという話になって私は財政的な能力、これは確かにありません。本当にそういう意味では先ほど申し上げましたように税財源の確保をきちっとしていただかなければという条件がつくわけですけれども。そのほかの部分につきましては、私は十分にあるというふうに思っております。それはまず、やらせてみていただきたいというふうに思っているわけですね。先ほどからお話にも出ておりましたけれども、対住民との関係でいきますと、やはり責任を分かち合える、そういう取り組みができるわけですね、この地方分権を推進することによって。そうしますと、政策過程から住民からしっかり参加をしていただくというようなこと。時間はかかると思いますけれども、それが一番大事なことだと私は思っているわけです。
その間には、当然職員も訓練をされますし、また、それぞれ意識が変わっていくと。やはりその場を与えていただかないと、住民の方々に地方分権はこうなりますよと説明したくても、その場がないわけですね。推進されてもどうなっていくんだろうと。今までのようにお願いしていればいいんだという、そこを変えていくためにはやはりしっかりと住民と密着している基礎的な自治体であるところに、まずチャンスを与えてくださいということなわけです。その次に能力論は言っていただきたい。はじめから、無いからということでは、この地方分権というのは最初から住民の方々からそっぽを向かれるのではないかと、これは消極的な方の意見だと思って聞いてください。そういうふうに私は思っております。従って、今日の新聞にも出ておりましたけれども、取り上げていかなければならない、その立場も分かります。それも私も分かるわけでありますけれども、ただ今まで厳しい状況の中でがんばっていこうという思いを出してですね、今むらづくりをしている最中なわけでありますが、そういったところにまさに気配り目配りをしていただきたいというふうな思いを強くしております。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION