従って、今までのようにお願いしますということで、また私もそうだったわけですけれども職員も上を見て仕事をしてきた。上から何か指示をされるとか、下りてくるのを待っていたというようなことから、やはり、住民と一緒に努力をしていかなければならないというふうに思っております。そういった意味で基礎的自治体である市町村の現場というものを十分に認識していただいているのが県だというふうに思っております。国からは遠いところにあったかもしれませんけれども、県とは本当に近い関係。それがイコールパートナーということで、すごくここのところが私は住民に対しての意識の変化をさせるというんでしょうか。そういう意味で重要なことだと思っておりますし、知事さんは現在でもそういうことを常々お話をいただいておりまして、できるだけ市町村がんばれということでありますし、市町村の意見というものを吸い上げていこうという取り組みをしていただいておりますので、県と市町村との関係でいきますと、まさに今までのお願いしますというものを、今度はいかにわれわれが主張できるかというところにかかっているのではないかというふうに思っております。
篠崎
国と自治体との関係が対等協力の関係に移るというのは、また、県と市町村との関係も対等協力の関係に移るということを意味しているということですよね。
小笠原
はい。
篠崎
で、堀越さんね、この機関委任事務の廃止というのは、できるだけいわゆる住民活動といいますかね、そういったことも含めて現場に近く決定をするということを意味すると思うんですけれども。この後の住民運動、あるいは市民運動、このあたりにはどういう影響があるとお思いですか。
堀越
機関委任事務の廃止は、自治体の判断が増すわけですから賛成です。ただ、自治体はこれまでの経験があると思うので、それを生かすべきだと思います。1986年に地方公共団体の執行機関が国の機関として行う事務の整理および合理化に関する法律というのができました。施設の入所措置を国の機関でなく自治体が行うとか、保育所への措置は団体事務とするとか、自治体自身もいくつか経験があると思います。その時、何が起こったかということも、もう1度考えてみる必要があると思っています。
というのは、83年に団体事務化した時には例えば、保育所の入所基準については条例作成をするということがありました。けれども、その後の法律では、団体事務化したものに条例をつくらなくてもいいということになりました。条例は、市民、住民みなが見られるわけですから、透明な行政になるために私たちが条例を見られたほうがいいわけです。