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直しだとか、マンホールの段差ですとか、それからちょっとした高低差というのは日本では至るところに見ることができるのですが、ここではほとんど見ることがありません。

 

B 姉崎一馬写事務所 提供

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また中央に、小さな機械がありますが、こういったごみ清掃車がひっきりなしに動けるだけの環境が整備されているわけなんですね。

さまざまな機械を簡単に開発できる国力がある日本で、この車も日本製という話もあったのですが、日本で見たことがないんですね。それは、人間が細かく動けば何とかなるものではなくて、もう機械に任せられるところは機械に任してもいいんじゃないか、そういう環境づくりをしたらいいんじゃないかというふうに思うわけです。

 

C 姉崎一馬写事務所 提供

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これは、ごみの集積所です。新潟県の山の中に津南町という、秋山郷という中部地方では有名な観光地なんですが、そこの町で見かけた地域のごみの集積所です。足が高いのは、非常に豪雪地帯で冬の間、雪がたくさん積もるからですが、このごみの集積所1つが200万円以上かかっていると言われています。

この妻のところに、ちょうどこういう木彫りの彫刻がしてありました。この町は木工産業を地場産業としておりますので、木を彫刻する方もたくさん生活しています。

その地域その地域に特徴のある花木、これはコブシの仲間のタムシバというブナ帯の非常に香りのいい、モクレンの仲間の樹木で彫ってあります。この1つの看板が、聞いて驚くのですが、これが20万円するということです。でも、行政のいろいろな予算から見れば――こういう景観というのは地域の住民にとって非常に目の肥やしといいますか、非常にいいわけですね。

私たちはふだん、ごみの収集日にごみの風景を常に見ているわけですね。ちょうど時間帯から言っても、小学生、幼稚園の子供たちが通学する時間に毎週のように、時には2日置き、3日置きにこの風景を見ているわけですね。そうした意識の中に、美化意識というのはなかなかわいてこないのではないか。そういうことのために自治体ができることと言えば、ニューヨークの近代博物館に飾れるほどのごみ箱のデザインコンテストなんかやってみたらいいなと思っているのですが、いかがでしょうか。

瀬田 和歌山市がポイ捨て条例というのを日本では先駆けてやられたと思うんですけれども、家庭用のごみ、一般廃棄物と言われているものが捨てられて犯罪になるということは余りなかったんですね。きのうここへ来るときに新聞を見ていたら、神戸で、ごみを捨てる日でないときにごみを置いた人が悪質だ、前の日からでも置いておくということは、それを犬がほじくったりカラスがひっかいたりということになって、その常習犯の人が逮捕され、3万円から5万円

 

 

 

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